テレワーク/リモートワーク時の勤怠管理はどうする?

テレワーク、リモートワークで働くイメージ

多くの企業が導入しはじめているテレワークやリモートワークという働き方。「働き方改革」の最大のポイントである「柔軟な働き方の選択」にも合致しているため、今後ますます増加していくと考えられます。
 
導入を進めるにあたって、懸念点のひとつが「正確な勤務時間の把握」。堀下社会保険労務士事務所・代表の堀下和紀さんに、テレワーク/リモートワークにおける残業の考え方について伺いました。

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「テレワーク」と「リモートワーク」、違いはある?

「テレワーク」「リモートワーク」とは、自宅やサテライトオフィスなど、会社以外の場所で、ICT(情報通信技術)を活用して業務を行う働き方のこと。
 
今年に入ってから耳にする機会が多くなりましたが、基本的にはどちらも同じ意味として使われており、大きな違いはありません。
 
通勤時間がなくなるため生産性や効率性のアップにつながったり、満員電車での通勤によるストレスが軽減されたり、育児や介護などで環境が変化しても継続雇用が可能になったりと、「柔軟な働き方の選択」として注目されています。

「テレワーク/リモートワーク」の残業はどう考える?

テレワーク/リモートワークであっても、従業員が労働基準法で定められた「1日8時間」「週40時間」以上の業務を行った場合は、残業代を支払う義務が生じます。
 
しかし、テレワーク/リモートワークの勤怠管理は完全なる自己申告制となるため、企業にとっては本当に必要な残業だったのかどうかを判断するのはなかなか難しい部分があります。
 
残業に関するトラブルを防ぐには、企業が「標準作業時間」を適正に把握することが大切です。「標準作業時間」とは「この仕事内容であれば、これくらいの時間でこなすことができる」というベースとなる時間です。
 
これを労働者と共有することで、企業は残業時間をコントロールすることができるし、労働者も業務成果と照らし合わせて明確な残業申告をすることができます。とはいえ、企業としては結果さえ出せば、働いた時間は問わないくらいの姿勢が、必要になってくるのではないでしょうか。

「テレワーク/リモートワーク」、勤怠管理のシステム化は必須

テレワーク/リモートワークには、ICTを活用した情報共有ツールの導入が必須です。
 
インターネットを介して従業員同士が相互に情報共有を行い、スケジュール管理ツールなどの複数システムと連携させて情報管理することで、誰がどのような作業に取りかかっているのか、どれくらい時間がかかっているのかなどをリアルタイム、かつ一目で把握することが可能になり、労務管理上の大きな課題は解消されるはずです。
 
また、クラウド型の勤怠管理システムと社内の各システムを連携させ、退勤処理後は業務に必要なシステムへのアクセスを制限し、残業をさせない、もしくは残業の時間を制限するなどの施策を行うことで、時間外業務の管理もしやすくなります。
 
システムを導入するための初期設定は大変ですし、それなりの費用もかかりますが、システム化してしまえば、その後の管理はとてもラクになります。従業員の勤怠管理を正確かつ効率的に行いたいのなら、ICTを活用した情報共有ツールやクラウド型の勤怠管理システムの導入をおすすめします。
 
今後、本格的にテレワーク/リモートワークの導入を考えるならば、企業は労働者ときちんと話し合い、残業を含めた勤怠管理についての基準を明確に取り決める必要があるでしょう。

 

※記事内で取り上げた法令は2020年9月時点のものです。
 
<取材先>
堀下社会保険労務士事務所
代表 堀下和紀さん
 
TEXT:塚本佳子
EDITING:Indeed Japan + 南澤悠佳 + ノオト

 
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