「新卒紹介サービス」とは
「新卒紹介サービス」は、採用のための母集団を形成する手法の一つで、中途採用を専門とする「人材紹介サービス」の言わば「新卒学生版」です。
新卒に特化している会社もありますが、一般的な中途の人材紹介サービスを行っている会社が新卒サービスも行うというケースの方が多く存在します。
基本的な流れとしては、登録した学生に対して、人材紹介会社の担当者が面談を行い、学生の志向や志望する業界、職種などを聞いて、学生の希望に合う会社を紹介します。そこで学生が「この会社を受けたい」と希望すれば、エントリーという流れになります。
新卒紹介サービスに登録する学生は「この会社を受けたい」という明確な志望先があるわけではなく、「就職活動の進め方がわからないから教えてほしい」「自分に合った会社を紹介してほしい」というモチベーションで利用する人が多いです。また、理系の学生などの場合、忙しくて就職活動する時間がないから、合うところを紹介してほしいという理由で利用するケースもあります。
新卒紹介サービスを利用するメリットがある企業とは
新卒紹介サービスを利用するメリットがあると考えられるのは、次のような企業です。
◆採用人数が多くない企業
既定の領域に特化していて、採用人数もさほど多くない企業であれば、広告を出して多くの応募者を相手にするより、新卒紹介サービスに人数を絞って紹介してもらったほうが確実でしょう。
◆採用に工数をかけられない企業
人事が忙しく採用にかける工数がない場合も、企業側から「こういう学生がほしい」という希望を伝えれば、エージェント側でその条件に合った人だけを紹介してくれるので、短時間で希望の人材を採用できる可能性が高いでしょう。
◆採用に余分な費用をかけたくない企業
広告なら初期費用として何十万とかかりますが、新卒紹介サービスは、内定が出た場合に初めて成功報酬が発生するので、初期費用がかかりません。そのため、利用する上でリスクが少ないと言えるでしょう。
学生1人あたりにかかる成功報酬は高めですが、支払った費用が無駄になるというケースは少ないので予算計画が立てやすくなります。
新卒紹介サービスを利用する際の注意事項
◆自社の魅力を言語化しエージェントに丁寧に説明する
直接学生とコンタクトできないので、自社の強みや、他社との差別化ポイントを明確化し、それをエージェントにきちんと説明できるかが重要です。中途であれば「営業経験〇年以上」など求める人物像を言語化しやすいですが、新卒はスキルがない分、ある程度採用したい人物像について丁寧に意識のすり合わせをしておかないと、ミスマッチが起きやすいでしょう。
◆利用したいエージェントを集めて説明会を開く
新卒紹介サービスは中途の場合と同様、一社ではなく複数のエージェントを利用するのが一般的なため、利用したいエージェントを集めて自社の採用活動についての説明会を開くのがおすすめです。学生を対象とした説明会であれば1日に何回も実施することがありますが、エージェントを集めての説明会は基本的に一度で済みます。採用の工程に時間をかけられない場合も、説明会の手間と時間はきっちりとかけて採用活動を行いましょう。
◆始めるなら早めから利用する
新卒紹介サービスを利用するケースで多いのが、一般的な採用活動をしたけど学生がとれない、辞退が増えて採用人数が足りなくなった、という理由で遅れて利用するというものです。ただ、始めるのが遅いほど採用は難しくなります。学生が就職活動をスタートする時期から利用して、通常の採用活動と同時並行で進めるほうがよいでしょう。
新卒紹介は今後ますます伸びるサービス
新卒紹介サービスは採用につながらなければコストがかからないので、リスクなく始められます。そのため、今後も利用する企業が増えていくことが予想されます。利用する企業が増えれば、登録する学生も増えます。採用活動の一つの手段として、活用を検討してみてもいいかもしれません。
<取材先>
core words株式会社 佐藤タカトシさん
TEXT:小林麻美
EDITING:Indeed Japan + ミノシマタカコ + ノオト