採用管理の基本的な工程
採用管理は、採用計画を立てるところからスタートします。主な工程は、次の通りです。
- 採用計画を立てる。
- 予算や業務量から採用人数を割り出し、雇用形態や採用時期を決める。
- 必要な人材を確保するための戦略を練る。
ここでは、人物像や、中途であれば必要なスキルなどを想定し、具体的なペルソナをイメージしておくといいでしょう。 - 戦略にそって人材にアプローチする媒体や施策を決める。
多くの企業はいくつかの媒体を複数利用しており、これらの媒体の管理も必要となります。 - 募集をかけ、選考を進める。
この間、一人ひとりの候補者とのやりとりも発生します。 - 面接を経て内定を出す。
内定者へのフォローも必要です。入社した人材が自社で活躍できるよう促す取り組みも採用管理の一環となります。
このようにさまざまな工程があるため、採用規模がある程度大きい企業では、システムを導入しているところがほとんどです。
採用管理システムでは、たとえば、目標が達成できているかどうかの目標管理や応募してきた候補者一人ひとりの状況や個人情報の管理などが行えます。複数の採用媒体を利用していても、それぞれのエントリーデータを採用管理システムに取り込むことで、1つのシステムで一括管理することができるようになっています。
採用管理システム導入のメリット・デメリット
◆メリット①:候補者それぞれに抜け漏れなく対応できる
候補者すべての進捗を一元管理できるので、連絡をし忘れた、面接日時を間違えたなどの抜け漏れが少なくなります。「今日はAさんの面接の日です」などのアラート通知も来るので、候補者一人ひとりにきめ細やかな対応ができるメリットがあります。
◆メリット②:目標管理や採用課題の発掘がしやすい
営業職を何人募集していて、今月は何人応募が来ていて、何人面接を受けて通過したかというそれぞれの数字もすべてひと目でわかるので、目標管理がしやすくなります。採用活動の課題発掘と分析ができるのは強みです。
◆メリット③誰が見ても状況を把握できる
候補者への連絡も採用管理システム上ですべてやりとりでき、履歴がすべて残るので、複数の人間が同時進行で活用しても、全員が正しく状況を把握できます。
◆デメリット①:お金がかかるので採用人数が少ないとコストパフォーマンスが悪い可能性も
デメリットとしては、利用するのにそれなりの費用がかかることです。採用人数が月に1人など、少ない会社であれば必要ないかもしれません。
◆デメリット②難しくはないが慣れるまでの学習は必要
システムなので、ある程度の学習が必要になります。ただ、システム自体どんどん進化して使いやすくなっているので、慣れるのにそう時間はかからないでしょう。
また、現状使っている採用管理システムから別の採用管理システムに乗り換えると、データの移行が必要なケースがあるので、少々面倒かもしれません。
採用管理システムを導入すれば万事解決、というわけではない
月の採用人数が数十名の規模感に達する場合は、採用管理システムを利用しないと管理しきれないでしょう。そして採用人数が多ければ、それだけ候補者の選定やメールのやりとりの回数も増えていきます。コミュニケーションは自動ではできないので、結局最後は人力が必要です。
そのため、採用人数が多い場合は「採用アウトソーサー」と呼ばれるシステムに入力する作業の専門部隊を雇って、採用管理システムとセットで進めるというケースもあります。
新卒/中途で採用管理に違いがあるか?
基本的には新卒と中途では採用活動のスパンが変わってくるくらいで、採用管理の工程や内容には違いはありません。採用管理システムに関しては、連携先のメディアとの相性も多少はありますが、新卒/中途のどちらかにしか使えないということはまずありません。機能を一通りチェックした上で、月額の費用や管理できる候補者数などを検討し、導入を進めるのがよいでしょう。
採用管理システムは入社後の人事評価の管理などに使える可能性も
採用管理システムは、今後採用だけに留まらず、候補者が入社したあとの育成や評価といったデータの管理に繋げられる可能性があります。まだ進化する余地のあるシステムなので、採用規模がそれなりに大きい企業でまだ導入していないのであれば、ぜひ使ってみてください。
<取材先>
core words株式会社 佐藤タカトシさん
TEXT:小林麻美
EDITING:Indeed Japan + ミノシマタカコ + ノオト
