オンライン面接が一気に増加した現在
以前からオンライン面接を実施している企業はありました。ただし、地方や海外在住の求職者など、オフィスに来て面接するのが難しい場合のみオンラインで行うケースが基本でした。
しかし、新型コロナウイルスの影響で採用活動にも変化が出てきました。今年からオンライン上で説明会や面接を行う企業が増えてきています。オンラインでの採用活動に戸惑う企業も少なくありませんが、面接における一連の流れは対面で実施する場合と大きな差はないでしょう。苦手意識を持たず、直接顔をあわせているときと同じように選考を進めましょう。
オンライン面接を実施する際の基本的なポイント
もちろん画面越しで会話するため、対面とは異なる部分もあります。以下の点に気をつけておくと、オンラインでもスムーズに面接を進めやすくなります。
◆履歴書を印刷しておく
前もって送付されている応募者の履歴書はプリントアウトして手元に置いておくことをおすすめします。対面の場合、パソコンで履歴書のデータを見ながら面接を進める場合もありますが、オンラインではパソコンを繋いでしまっているため、履歴書はパソコンと別に見られる状態にしておいた方がやりやすいでしょう。
◆スマホや予備のパソコンなども準備しておく
なんらかの理由によってオンラインツールが繋がらなかったときに備えて、スマホや予備のパソコンなどを準備しておくと安心です。また、バッテリーに余裕があってもACアダプターを接続している状態でのぞんだ方が無難でしょう。
◆求職者には電話番号を伝えておく
求職者がうまくオンラインツールにアクセスできなかった際、担当者とすぐに連絡がつくようにあらかじめ電話番号を伝えておきましょう。エージェントを通して採用活動を行っている場合、担当者の連絡先を知らずに面接を迎えるケースも意外と少なくありません。緊急連絡先を伝えておくと、何か問題が起きたときにも迅速に対応できます。
◆対面のときと同様、会議室などで実施する
どこからでもアクセスできるのがオンラインの魅力です。しかし、基本的には会議室など静かなスペースで面接するのが無難です。会話には求職者の個人情報が含まれるだけでなく、雑音が混じらないためにも対面のときと同じような環境下で行いましょう。
面接官がリモートワークで自宅からネットにつなぐ場合でも同様に、できるだけ場所を選んで行うのが理想です。
◆表情は少しオーバーに
オンライン上では相手に雰囲気が伝わりにくいため、表情やリアクションは少しだけオーバーにするぐらいでもちょうど良いかもしれません。
◆照明は明るくし、カメラの角度に気をつける
照明が暗いと、表情が見えにくくなってしまいます。逆光にならないか注意するのはもちろん、できるだけ明るい場所で面接するようにしましょう。また、カメラの角度によって表情の見え方が異なります。悪印象を与えないためにも、カメラは目線から少し下げた位置に設置するのがおすすめです。
内定を出す前に、必ず対面でも顔を合わせること
実際にオンライン面接を行った企業からは、やはり「相手の雰囲気がわかりにくかった」という声が挙げられています。可能であれば、選考中に直接話す機会をセッティングした方が無難です。採用イベントや1次面接などはオンラインで実施しながら、ある程度選考が進んだ段階では対面する機会をつくるなど工夫しましょう。
選考はすべてオンラインで行い、内定まで一度も顔を合わせないのは双方にとって避けた方が良いでしょう。求職者にとっても、実際のオフィスの様子や社員の雰囲気を見たうえで入社を決めた方が安心だといえます。2次面接から遅くとも最終面接の前には顔合わせのタイミングを設けたり、対面で面接を行ったりするようにしましょう。
オンライン面接は、求職者とのスケジュールも合わせやすく日時の設定までスムーズに進められます。会ってみないとわからない部分はありますが、オンラインならではのメリットも多くあるものです。
オンライン面接を実施する際には、上記のようなポイントをおさえて万全の状態で挑むようにしましょう。
<取材先>
アルドーニ株式会社・代表取締役 永見昌彦さん
外資系コンサルティングファームなどで人事コンサルタントとして勤務した後、事業会社(ラグジュアリーブランド持株会社)で人事企画担当マネージャーとして人材開発・人事システム・人事企画を兼務。事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年携わった経験を活かして、2016年にフリーランス人事プランナー・コンサルタントとして独立。2018年に法人化。現在、人事全般のプランニング・コンサルティング・実務に携わっている。
TEXT:成瀬瑛理子
EDITING:Indeed Japan + ノオト