採用活動に効果的なSNSの種類
SNSは求職者だけでなく、将来的に求職活動を始める可能性がある「転職潜在層」へもアプローチができるツールです。運用の手間はかかりますが、0円から始めることができるため、コストを抑えて自社の認知を広げることができます。
ただし、一口にSNSと言っても、様々なツールがあります。主に使われるのは、オープンに情報を発信できる「Twitter」、知り合い同士が実名でつながる「Facebook」、ビジネス向けSNSとしてすでに海外で広く使われている「LinkedIn」に絞られるでしょう。
3つのSNSの特徴、メリット・デメリット
・特徴
公共性、匿名性ともに高いツールです。基本的に登録さえすれば無料で使え、プライベート、ビジネス分け隔てなく活用できるSNSです。
・メリット
拡散力があり、企業の認知を獲得し、ブランド力を高めるための入り口として有効です。
・デメリット
匿名性が高いため、性別や年齢などを含めた相手の本当のプロフィールがわかりません。1対1でやりとりをしたいときには不向きなツールです。また、不用意な発信が炎上につながりやすいリスクがあります。
・特徴
もともと大学の学生同士が交流を図るために作られたツールで実名登録が基本のプライベート性の高いSNSです。
・メリット
知り合い同士でのやりとりがメインの活用法とされるため、相手のリアルな交友関係を知ることができます。身元がわかりやすいことがメリットです。
・デメリット
つながりが知り合い同士に限られるため、Twitterのような広がりは起きにくいツールです。
・特徴
採用やビジネスのつながりを前提としたSNSです。日本でも今後大きく広がる可能性のあるツールです。実名登録が基本で、学歴や職歴を記載します。
・メリット
欧米ではすでに採用のプラットフォームとして広く認知、活用されており、気軽に採用情報を探したり、求職者と出会ったりすることができます。
・デメリット
これから国内での利用者増が見込まれますが、現時点ではユーザ数が280万人と、TwitterやFacebookに比べるとまだ少ない状況です。
採用に使いたいSNSと運用のポイント
Facebookはリファラル採用との親和性は高いですが、基本的には知人友人とプライベートなつながりを持つことが目的のツールなため、企業の情報や魅力を広めにくいという点において採用活動には不向きであるのが現状です。
Twitterは、企業の知名度を上げるという目的においては有効に作用します。運用する際は、社長やメンバーが互いにフォローやコメント、リツイートなどの機能を活用し合い、チーム戦で採用広報活動を行うと良いでしょう。一丸となって盛り上げていくことで、会社のカルチャーを伝えつつ、採用ブランディングを強化することができます。ただし、匿名性ゆえにスカウティングには不向きと言えます。
今後日本での盛り上がりが期待できるLinkedInも、採用ブランディングに活用可能です。優秀な人材に1対1で直接アプローチできるのも魅力のひとつです。現在転職活動をしていない潜在層も多く登録しているので、まだ誰にも見つけられていない人材へアプローチしたり、前もって関係性を深めたりすることもできます。ただし、法人として運営する「会社ページ」より、個人名で運用する個人アカウントでの運用が主流です。スカウトDMも、会社ページからではなく個人アカウントから送る仕組みであるため、個人が会社の看板を背負ってSNS上で活動することになります。個人に対して、看板にふさわしい言動が求められるという点では注意が必要です。
今後、YouTubeやTikTokといった動画SNSも採用活動に可能性があると思われます。しかし現段階では、手軽さや費用対効果といった面で、テキスト系SNSが強いと言えるでしょう。
<取材先>
株式会社アースメディア 代表取締役CEO 松本淳さん
TEXT:ミノシマタカコ
EDITING:Indeed Japan + 波多野友子 + ノオト