採用担当者にこそ必要な「伝える力」を磨くには


中小企業の採用担当者には、様々な場面で「伝える力」が求められています。社外へのアピール、応募者とのやり取り、面接対応など、そのコミュニケーションの目的や方向は多岐に渡ります。実際に採用人事の悩みに耳を傾けてみると、自らのプレゼン能力=伝えるスキルのなさに苦戦しているという話も少なくありません。
 
では、採用担当者に必要なスキルとは具体的にどういったもので、そのスキルを磨くためには何から始めるべきなのでしょうか。スピーチトレーニングを中心に、広く「話すこと」に関わる事業を展開する株式会社カエカの千葉佳織さんに伺いました。

 
 

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採用担当者は、どんなシーンで「伝える力」が求められる?


採用担当者に「伝える力」が問われるシーンは、自社のアピールから内定後の対応まで多岐にわたります。まず想定されるのは、合同説明会のように企業が何十社も集まるシーンで、自社の特徴を差別化して伝えていくケース。あるいは、面接やグループワークといった少人数を相手に、対話やファシリテーションを円滑に行わなければならないケースなどが考えられます。
 
こうした採用活動は、従来であれば対面で行うのが当たり前でした。しかし最近では、オンラインに切り替える企業も増えてきたようです。
 
どちらにせよ、採用担当者にとって必要なのは、最終的に採用候補者に「この企業は魅力的だ、是非入社してみたい」と感じてもらうこと。このゴールを目指して相手を説得し、行動させるためのコミュニケーションスキルが採用担当者に求められる「伝える力」であると言えるでしょう。

 
 

「伝える力」とは、具体的にどんなスキルやマインドを指すのか


一言で「伝える力」と言っても、紐解くとそこには様々な要素が絡み合っています。大きく分類すると、「内容」と「話し方」の二つに分けられます。それぞれについて、具体的に解説していきましょう。

 
 

◆内容


人に物事を伝える際に重要なのが、その内容を適切に言語化し構成する能力です。採用担当者であれば、事実(ファクト)と個人の意見・物語(ストーリー)をいかに巧みに組み合わせ、説得力を持って伝えられるかが肝になります。
 
その際、「印象的なキーワードを随所に散りばめる」「アテンション(関心)を惹きつけるために冒頭でインパクトのある内容を話す」「個人的な話を踏まえ内容に信憑性を持たせる」ことなどを意識しましょう。

 
 

◆話し方


話し方を洗練させることで、相手の集中力を切らさず、関心を持って最後まで聞いてもらうことができます。「声の大小を使い分け、伝えたい部分を強調する」「複式呼吸や滑舌を鍛え、声質や声の通りをよくする」「フィラー(えー、あのー、などの無駄な言葉)をできる限り減らす」といったポイントなどが挙げられます。
 
ただし、これらはどちらかというと具体的なテクニック。もちろん人前で伝える仕事をする限り、磨いておくべき能力ではあるのですが、前提として大切なのは「相手ありきのマインド」、つまり相手の立場に立って伝えようとする姿勢です。
 
採用担当者によく見られるのが、何年も前に先輩が作成した会社説明会用の資料を引き継ぎ、ブラッシュアップすることなく使い続けているケースです。あるいは、説明会の登壇後に振り返りを行わず、候補者と接触したことで満足感をおぼえてしまうといったケースです。これらは「自分よがり」で、自己満足な採用活動になっていると言ってもいいでしょう。一度、自身の仕事を振り返り、相手ありきの内容や話し方を意識・徹底することをお薦めします。

 

若い人たちが話す練習をしている様子話す練習の様子(写真提供=カエカ)

 
 

相手ありきのマインドを活かすために必要な「自己開示力」


相手ありきの伝え方を実践するためには、話し手がいかに「自己開示」できるかが問われます。特に採用担当者のように、相手の個人的な人生や経歴に踏み込み、なぜこの仕事に就きたいかについて深掘りするのであれば、まずは自分の事を語り、信頼感を得られるようにしておきたいものです。
 
例えば、採用イベントでの担当者自身の自己紹介。ともすれば淡白に終わらせがちですが、「自分がどのような経緯でこの仕事を選択し、どのようなやりがいや葛藤の中で業務に携わり、いまどんなことを感じているのか」といった自分のストーリーを語ることができれば、相手と対等な関係性を築くことができ、その後伝える内容に説得力を持たせることもできるでしょう。
 
人前に立って長めの自己紹介をしたことのある人であればわかると思いますが、自己のストーリーを伝えるには、それなりの事前準備が必要です。実際に声に出して何度か練習し、内容・話し方・構成・時間などを客観的に整理し反復することで、より伝わる自己紹介の仕方を習得できます。

 
 

日常のなかでも伝える力を磨くことはできる


伝える内容の整理や話し方の練習とセットで行うといいのが、録画です。自分の話している様子を動画に録り、見返してみると、内容以外の非言語的な部分、表情まで客観的に見ることができるので、気づきがさらに深くなっていくでしょう。いきなりカメラの前で話し始めるのに抵抗がある人は、Web会議での様子などを録画して見直すのもひとつの手段です。
 
また、複数人をファシリテーションするためのスキルアップの場として、音声会話のできるSNSを活用してみてもいいかもしれません。チャンスがあれば、初めて出会う人と会話でコミュニケーションを取ることができるところがポイントです。臨機対応なコミュニケーションへの耐性を養うのにもいい場になるのではないでしょうか。

 
 

伝え方を磨けば、会社のファンづくりにもつながる


採用担当者が生き生きと、自信を持って企業の魅力を語る姿は、企業への好感度をアップさせ、ファンづくりにもつながります。今や、企業が候補者を“見極める”のではなく、企業が“見極められる”時代です。窓口ともいえる採用担当者の伝え方がいよいよ重要視されるようになるはずです。

 
 
 

<取材先>
株式会社カエカ代表取締役/スピーチライター・トレーナー
千葉佳織さん
 
15歳から日本語のスピーチ競技、弁論をはじめる。2011年安達峰一郎世界平和弁論大会にて優勝、2012年内閣総理大臣賞椎尾弁匡記念杯全国高等学校弁論大会にて優勝、2014年文部科学大臣杯全国青年弁論大会一般の部にて優勝をし、全国弁論大会3度優勝経験を持つ。慶應義塾大学卒業後、大手インターネット関連企業に入社。小説投稿サイトの企画を経て、人事部で新卒採用を行いながら、同社初のスピーチライターの業務を立ち上げ、イベントや採用の登壇社員育成、代表取締役社長のスピーチ執筆など、部署横断的に課題解決に取り組む。2019年、株式会社カエカを設立。経営者や政治家などを対象とするスピーチライティングやトレーニング、スピーチスクール「GOOD SPEAK」の運営を行う。
 
TEXT:波多野友子
EDITING:Indeed Japan + ノオト

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