不採用にした人をもう一度選考しても大丈夫? その方法と留意点

PC画面を見ながら考える女性のイメージ

内定辞退が見込みよりも多かった、従業員の退職が相次いだ、新しいプロジェクトのために急遽採用したい……。こんな理由で、以前に不採用にした人をもう一度選考したいと考えたことはないでしょうか。「一度断ったのに失礼ではないか」「当時は採用できる人数が少なく断ってしまったけれど、本当は採用したかった」という迷いもあるでしょう。こんな時にはどうするべきか、株式会社アタックス・セールス・アソシエイツの採用コンサルタント・酒井利昌さんに聞きました。
  
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一度は不採用とした人を再度選考する企業も

――いったんは不採用にした人を、企業が再び選考・採用するというケースはあるのでしょうか?それは、どんな理由によるものでしょうか。
 
「想定よりも内定辞退者が多かった」「従業員の急な退職が相次いだ」といった理由で、以前に応募があり当時は採用しなかった人に声をかける、ということはあります。新たな事業を立ち上げたから、という理由で再選考のお知らせをすることもあるでしょう。
そもそも、企業の採用条件は状況によって変わりますよね。「以前は営業経験を重視したが、今はマネジメントもできる人を採用したい」など、採用の方針が変わることはどの企業でもあるのではないでしょうか。
 
不採用にした理由が、必ずしもその方のスキルや意欲によるものとは限りません。企業側の都合である場合も大いにあります。
しかも、応募して選考に進んでいただいた経験のある方は「その企業で働きたい」と思うほどに興味や関心を持っていただいた方です。会社のことを全く知らない方に対して「会社を知ってもらう」ことの難しさを感じている人事や採用の担当者から見たら、一度は不採用になった方こそ「採用の可能性を持った人材」に見えるのは自然なことではないでしょうか。

  
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不採用を通知する際に再選考の可能性を伝えておく

――とはいえ、いったんはこちらからお断りした人に再度連絡してもいいのか、と悩んでしまいます。再選考のお願いをする際には、どのように連絡するべきでしょうか。
 
前提として、不採用をお知らせする時から「再選考の可能性を伝えておく」と良いでしょう。今のタイミングでは採用に至らなかったけれど、たとえば「新しい事業を始める際などにはお声がけをさせてもらってもいいですか?」と伝えるのです。特にギリギリまで迷った末に不採用とした方などには、今後もコミュニケーションが取れるようにしておくことをおすすめします。企業の情報をお知らせするニュースレターやメールマガジンを、不採用となった方にも許可を得た上で送らせていただく、といった取り組みをしている企業もあります。
 
新卒採用の場合であれば、内定辞退者が出るタイミングもある程度予測できるのではないでしょうか。不採用者には「○カ月後に、再度お話しさせていただくことはできますか?」「もう一度選考の機会があるかもしれません」と伝えて、応募者の意向を確認しておくのも一つの方法です。
 
――不採用とした後にも、良好な関係を築いていけるようにすることが大切なのですね。
 
日本の生産年齢人口は減少する一方です。さらに先述したように、経済情勢や会社の方針によってどんな条件を採用の軸とするかは常に変わります。そのため不採用とした人との関係をすぐに断ってしまうのではなく、いわば企業の「資産」と考えてつながりを持ち続けていく動きも活発になりつつあります。
 
「タレントプール」と呼ばれていますが、メルマガやセミナーの案内などを送って、採用の可能性のある人とコンタクトが取れる状態をキープしておく企業が増えています。不採用の連絡に「今回は不採用とさせていただきましたが、またご縁がありましたらよろしくお願いします」という文言を添えることがありますが、これが建前ではなく本当に、「タイミングが合えばぜひお願いします」という意味になっているとも言えます。
 
私の会社でも採用はできなかったのですが、その後もつながり続けている方もいます。「今、どんなお仕事をされているか聞かせていただけますか」と声をかけて、再選考が前提か否かに関わらず情報交換をすることもあります。
 
――不採用を伝える際に「やってはいけないこと」はありますか。
 
不採用の連絡ほど早くしたほうがいいですね。採用決定した人を優先して、不採用の通知を後回しにしていつまでも待たせる……というのは企業に対する印象を悪くします。就職活動をする人の多くは並行して何社かの選考に進んでいることが多いですから、他社への回答を待たせてしまっている可能性があることを念頭に置いてください。
 
メールなどで迅速に通知するのも良いですが、より丁寧に電話で不採用の理由や、応募してくれたことへの感謝の気持ちを伝えると、企業に対して好感を持たれ、再選考もお願いしやすくなるでしょう。
 
また、企業が状況によって採用の基準を変えるように、働く人たちも日々変化し続けています。不採用とした人が、別の企業などで経験を積むうちに大きく成長していることもあります。面接では少しスキルが足りないな、自社とは合わないかなと思った方にも誠意を持って対応することが大切です。再選考とはならなくても、その方が取引先の企業に就職される可能性もあります。
 
とはいえ、全ての応募者を同じように手厚く対応することも難しいですよね。「この理由で不採用とした人は、○カ月後に連絡してみる」「この場合は、メールマガジンを送るのみとする」というように、不採用とした人とのコミュニケーションのパターンを仕組みにしておくのも良いでしょう。


新卒採用を準備からアフターフォローまで一挙解説。ガイド記事を読む。

再選考に至った背景を正直に伝える

――実際に再選考となった場合、面接時などに気を付けるべきことはありますか。
 
まずは「前回はなぜ不採用としたか」、そして「今回はなぜ再度選考したいと考えたか」を率直にお話しすることが大切です。企業側の都合でお願いしているという面も大きいですから、誠実な姿勢で臨みましょう。
 
不採用にしてしまったから……と後ろめたさを感じることもあるでしょうが、声をかけられた方は案外うれしく感じることも多いものです。選考を通じて自分のことをある程度知っている企業から、再オファーがあるということは、自分がアピールしたことを評価されたということですから。不採用となったとはいえ、面接など選考プロセスで企業に対して好印象を持つことは大いにあります。そうした方ならば、タイミングや条件が合えば再度応募してくれる確率も高まるでしょう。

 

<取材先>
株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ コンサルタント 酒井利昌さん
学習塾業界、人材サービス業界を経て、株式会社アタックス・セールス・アソシエイツへ入社。年間150日以上の研修、セミナー、営業・採用コンサルティング支援に従事。新入社員や若手社員向けの研修なども実績多数。
 
TEXT:石黒好美
EDITING:Indeed Japan + 笹田理恵 + ノオト

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