面接の日程調整にメールを利用するべき理由
書類選考をした後の結果連絡は電話が一般的とされていますが、面接の日程調整にメールを利用するのは、電話だと求職者と連絡がなかなか取れなかったり、通知したい内容を形として残すことができなかったり、「言った言ってない」といったトラブルが起こる可能性があるからです。
メールで日程調整の連絡をおこなえば、面接の日程や場所など後から何回でも見直せて、求職者が「住所や時間を忘れてしまった」といったリスクを抑えることもできます。以上の事から特別な理由がない限りは、メールを利用しての面接日程調整が推奨されています。
企業側が面接日程メールを送る場合のマナー
企業側が求職者に対して面接日程メールを送る場合、適切なマナーを理解したうえで送信しなければ、求職者に対して不快感を与えてしまい、主旨をうまく伝えられない可能性があります。
以下では、企業側が面接日程メールを送る場合のマナーについて詳しく説明します。
◆面接日は企業側が提案する
面接日を設定する際は、企業側が日時を指定するのがマナーとされています。候補日をいくつか挙げておけば求職者側も選びやすくなり、メールのやり取りも最小限に抑えられる可能性が高まります。
1日に面接できる人数は限られますし、面接した人数だけ採用選考が発生するため、その他の業務との兼ね合いを鑑みて面接の日時を設定しましょう。
・候補日は3つ程度に分ける
面接日時を指定する際は、3つ程度の候補日から求職者に決めてもらうと連絡の回数を抑えられ、速やかに日時を決定できます。たとえば、以下のような記載方法が挙げられます。
- 令和〇年〇月〇日 10時~
- 令和〇年〇月〇日 13時~
- 令和〇年〇月〇日 16時~
1日に複数人面接する場合には前後の時間に余裕を持たせたほうが良いでしょう。もしも、ある1人の面接が予定より長引いた場合、後に控える求職者の面接開始時間が遅くなったり、当初の予定に合わせるために一人当たりの面接時間を短くしたりなどの対応が必要になる可能性があるためです。多少の時間のズレは影響しないようスケジュールを決めておくのがおすすめです。
◆件名はシンプルでわかりやすくする
求職者に一目で採用に関するメールだと伝わるよう、メールの件名はシンプルな文言を意識しましょう。冒頭の数文字で内容が判断できる「面接日程のご案内」や「株式会社〇〇面接日程のご案内」などが理想です。
「株式会社〇〇からのお知らせ」や「株式会社〇〇からのご案内」などの件名にしてしまうと、面接の日程という重要な内容を見逃してしまったり、メールマガジンと思われて削除されたりする可能性があります。
◆宛名は個人宛か複数宛かで異なる
宛名は、学生向けか転職者向けか、また学生の場合は個人宛か複数人宛かで内容が異なります。
まず学生向けの宛名の書き方を見ていきましょう。個人に送信する場合は、大学名、学部名、学科名、氏名、敬称の順番で記載し、複数人宛の場合は大学名や氏名を入れずに、「学生の皆様」と記載する書き方が一般的とされています。
転職者向けに送る場合は、氏名と敬称のみ記載します。
◆面接前日にリマインドメールを送信する
面接当日のキャンセルや失念を防ぐためには、前日のリマインドメールの送信が有効です。
リマインドとは「思い出させる」「思い起こさせる」という意味で、リマインドメールは約束していた日時や予定を再確認してもらうための手段として使われます。求職者が面接日程を忘れていないか、誤った日時で覚えていないかの「念押しの確認」で、相互認識を図り、面接日時のトラブルを予防します。
面接日程メールにテンプレートを利用するメリット
複数の求職者とメールのやり取りをする可能性がある場合は、通達事項を網羅したメールのテンプレートを作成します。求職者とのやりとりにかかる時間を短縮しつつ、大切な連絡の抜けや漏れなどを防ぎやすくなり、担当者によって文言が異なることもなく、会社内で文章を統一できることもメリットです。
面接日程メールのテンプレート集
面接日程のメールを最初から作成すると、経験者であっても労力がかかります。社名と連絡先などの署名を加えるだけで完成するテンプレートを使えば、誰でも簡単に、形式を押さえたメール文面が作成できます。
以下では、面接日程メールを送る際に使えるテンプレートを目的ごとに紹介します。
◆面接日程の提案
面接日程の提案をするメールを送る場合、以下のテンプレートを参考にしてください。
企業側が面接日程を指定するケースでは、希望日時を3つ以上挙げるとともに、対応可能な時間帯をなるべく幅広く確保するのがポイントです。どの候補日も都合が悪いことを想定して別日程でも対応可能である旨を記載しておくと、求職者に与える印象がよくなります。
◆面接選考の案内
面接選考の案内をするメールを作成する場合、以下のテンプレートを参考にしてください。
テンプレートをそのまま利用すると、フォーマルで堅苦しい印象を与えてしまいかねません。なるべくリラックスして面接に臨んでもらえるような文章を心がけるとよいでしょう。
◆面接日程の確定
面接日程が確定した旨のメールを送る場合、以下のテンプレートを参考にするのがおすすめです。
企業側が面接日程を確定したとしても、求職者が最終的に合意していなければ、当日面接に来てもらえないかもしれないので注意が必要です。指定した面接日程でよいという意思を確認するために、求職者にメールでの返信を依頼しましょう。
◆採用面接の案内
採用面接の案内メールを作成する場合、以下のテンプレートを参考にしてください。
面接日程メールに関するQ&A
面接日程メールを作成する際、多くの人が抱きやすい疑問点を知っておくとスムーズに採用業務を進められます。
以下では、面接日程メールについてよくある疑問点について、解決策とともに解説します。
◆お互いにスケジュールが合わない場合は?
面接日程を調整する場合、「どうしてもスケジュールがあわない」という問題が生じるケースは頭を悩ませるポイントです。
企業側が複数の面接日程を提案してもスケジュールが合わない場合は、可能であれば終業後に面接できるように調整するのも方法のひとつです。
また新型コロナウイルスの影響もあり、面接を対面ではなく、ビデオ通話ツールなどを使ったWebで行う企業もあります。求職者の都合に柔軟に対応できる体制をつくることも重要です。
◆スムーズに日程調整を行うには?
面接日程を調整するにあたり、「面接日程調整ツール」を導入する企業もあります。
面接日程調整ツールを利用すれば、求職者は希望する面接日程を設定するだけではなく、求職者情報を企業に送信することも可能です。企業と求職者がスムーズに情報をやりとりできるとともに、採用するうえで必要な情報も同時に確認できます。
◆求職者から返信がない場合は?
求職者から返信がない場合、求職者にそれなりの事情があると考えられるので、返信がないことへの問い詰めや、返信の催促は基本的にはNGとされています。
一定の期日までに返信してほしいメールであれば、あらかじめ返信期限をメールに記載しておきます。それでも返信がない場合は、迷惑メールフィルターなどでメールが届いていない場合もありますので、メールが届いているかどうかの確認メールを送りましょう。
◆メールがエラーで送れない場合は?
どうしてもメールがエラーになり相手に送れない場合は、電話で連絡をしてみましょう。直接電話で面接の日程を聞いたり、メールアドレスに間違いがないかを確認し再度連絡を送るなどの手段を取れます。
ただし、もしも数回かけても電話に出ない、折り返しもないときは郵送の手続きを取りましょう。郵送で案内を送る場合もメールと同様に、面接日時や場所、持ち物、今後の予定、連絡先などを忘れずに記載するのがポイントです。
面接日程変更メールの送り方に関する注意点
以下では、面接日程変更メールの送り方について、注意点を詳しく説明します。
◆面接日の変更を依頼された際はまず時間の変更を提案する
採用スケジュールに沿って面接をおこなうためにも、面接候補日の変更はなるべく避けるべきです。求職者から「候補日がどうしてもあわない」といわれると、ほかの候補日を設定してしまいがちですが、もし複数人の選考を同時に行なっている場合は、再度のスケジュール調整に手間がかかりますし、状況によっては面接日程が長期化してしまいかねません。
すぐに候補日を変更するのではなく、候補の時間帯を早める、もしくは遅めるといった対応ができないかを検討しましょう。それでも都合がつかなければ、ほかの採用担当者に対応してもらうのもひとつの方法です。
◆やり取りを長引かせない
求職者と何度もメールのやり取りを繰り返すと、採用業務の効率が悪化してしまいます。1回のメールで必要な情報を全て伝えることを心がけることで、スムーズに面接へと結びつけられます。
まとめ
この記事では、企業側が求職者に対して面接日程メールを送る際のマナーや具体的な作成方法などについて説明しました。
スムーズな採用業務をおこなうためにはテンプレート利用しつつ、企業独自にカスタマイズすることが重要です。この記事内で説明した内容を参考にして、企業と求職者双方が気持ちよく面接に臨める面接日程メールを作成できるようにしておきましょう。