就活する学生が重視していることとは? 現場で感じる価値観の変化
就職みらい研究所が発表している「働きたい組織の調査」について2013年実施(2014年卒)と2021年実施(2022年卒)の大学生全体を見てみると、「A.安定し確実な事業成長を目指している」と「B.リスクをとり、チャレンジングな事業成長を目指している」では、両年ともにAの「安定し、確実な事業成長を目指している」の方が上回っています。
さらに、現場で採用支援をやっていく中で、最近の学生は、会社で働いている人の雰囲気や、環境面をよく見ていると感じます。「リモートができる」など出社義務の有無や、転勤の有無、地方配属の有無、産休・育休の取りやすさなど、柔軟な働き方を求める学生が増えています。働き方改革が認知されてきたことや、コロナ禍の影響も少なからずあるでしょう。
学生に選ばれるために、会社としてできること
大手で安定した企業を選ぶ学生が増えているとはいえ、どの企業もそうなれるものではありません。まずは勤務体系を柔軟にするなど、環境面を整えることが重要です。また、将来が見えないと感じている学生も多いので、キャリアパスを一緒に考えることも必要でしょう。
2021年の調査では、「A 入社直後の給与は低いが、長く働き続けることで後々高い給与をもらえるようになる」と「B 入社直後から高めの給与をもらえるが、長く勤め続けてもあまり給与が増えない」ではAの方の支持が高く、また「A 個人の属性に関わらず、公平・公正に処遇される」と「B 個人の属性に応じて、処遇が変えられている」では、Aの方を支持している様子がうかがえます。
近年は、従業員の満足度を上げて、個人としての意欲や能力を発揮できる・伸ばしていける環境を提供していくべきだという時代に変化してきているので、そこをまずきちんと整備することが大前提です。
採用の範疇でできることとしては、面接は学生をリスペクトして真摯に行うことはもちろん、カジュアル面談やインターンシップのように、面接前に自社を知ってもらう、魅力を感じてもらう体験ができるような仕掛けを用意することが挙げられます。
学生にとって満足度の高い働き方ができる柔軟な環境づくりを
今後も、中長期的に身を置く会社として、どこが一番自分自身を生かしながら柔軟に働いていけるかを重視する学生が増えていくでしょう。まずは人事の現場でできることから行い、学生が「入りたい」と思える環境を整えて発信しましょう。
<取材先>
core words株式会社 佐藤タカトシさん
TEXT:小林麻美
EDITING:Indeed Japan + ミノシマタカコ + ノオト
