海外出身の人と面接する時に確認しておくことは?
外国人を採用する際、求職者に採用面接で確認しておくべきポイントとしては、以下のようなことが挙げられます。
◆経歴や志望動機など
これまでの経歴や、志望動機、希望する職種、保有している資格などについては、日本人か外国人かに関わらず聞いておくと良いでしょう。
◆来日の理由や滞在計画
どうして日本に来たのか、長期的に日本で働きたいのか、短期間で帰国予定なのかなど、日本で働く理由や滞在期間、今後の計画などについても聞いておきましょう。
◆文化やライフスタイル
文化的な違いや、宗教や思想によって避けるべきものごとなど、雇用する側として配慮しておきたい基本的なポイントは事前に聞いておくと安心です。
◆在留資格(ビザ)
外国人を雇用する際には、日本での就労が認められているかどうか、在留資格を確認する必要があります。在留資格の種類によっては、就労が認められない場合や、就労が認められている範囲が制限されている場合もあります。詳しくは、厚生労働省のWebサイトを確認してみてください。
海外出身の人材採用。入社前後に必要な手続きは?
基本的には日本人を雇用する場合とほとんど同じですが、いくつかポイントがあります。
◆在留カードを確認する
先述の在留資格を確認するために、在留カードと旅券(パスポート)の提示を求め、在留資格・期間、在留期限、資格外活動許可の有無などを確認する必要があります。コピーではなく、実物を確認するようにしましょう。
在留カードには「氏名」「在留カード番号」「生年月日」「性別」「国籍」「地域」「住居地」「在留資格」「在留期間」「就労の可否」が記載され、裏面には「資格外活動許可欄」があります。
◆雇用契約書や労働条件通知書を交わす
在留カードを確認して問題がなければ、雇用契約書や労働条件通知書を交わし、雇用の手続きを進めます。
入社後にトラブルにならないよう、給与、労働時間、休日・休暇など、労働条件をきちんと伝えておく必要があるのは、外国人かどうかに関わらず基本です。外国人の場合は、求職者がわかる言語で伝えることも大切です。
◆「外国人雇用状況届出書」を提出する
外国人を採用した際には、ハローワークに「外国人雇用状況届出書」を提出することが法律上義務づけられています。
雇用保険に加入しない場合は、「外国人雇用状況届出書」に在留カード番号を記入して提出します。一方、雇用保険に加入する場合は、「雇用保険被保険者資格取得届【別様式】」に、在留カード番号などを記載して提出します。
届出の様式について詳しくは、厚生労働省のWebサイトを確認しましょう。
採用後の注意点は?
雇用した後に企業側が気をつけておきたいのは、就労環境です。入社後の社内教育や研修などを行い、本人が不安なく働けるよう環境を整備しましょう。
入社後のサポートは外国人かどうかに関わらず行うべきことですが、特に外国人の場合は文化や言葉の違いなどもあり、不安や困りごととなる要素が多くあります。
また、同じ言葉を使う日本人同士であればニュアンスで伝わるようなことも、外国人では通じないということも起きがちです。逆に本人にとって当たり前の慣習に、驚くこともあるでしょう。社員みんなが快適に働けるよう、コミュニケーションを取りながら環境を整えていくようにしましょう。
また、在留資格が切れた状態で雇用することがないよう、期限などをしっかりと管理しておくことも重要です。
不安なことがあれば、厚生労働省が各都道府県に設置している「外国人雇用管理アドバイザー」に相談することも可能です。外国人労働者の雇用管理や職業生活上の問題などについて、無料で相談・支援を受けられます。ハローワークが窓口となっていますので、海外出身の人材の雇用を検討している企業の方は、ぜひ参考にしてみてください。
※記事内で取り上げた法令は2022年4月時点のものです。
<取材先>
うたしろFP社労士事務所 社会保険労務士 歌代将也さん
TEXT:武田明子
EDITING:Indeed Japan + ミノシマタカコ + ノオト