人手不足を解消するために、中小企業が採用活動で見直すべきこと

採用面接のイメージ

中小企業における人手不足は慢性的な問題になりつつあります。その理由は「自社をよく理解し、求職者にアピールできていないケースが多い」と採用コンサルタントの谷出正直さんは話します。今回は人手不足が起こる背景や具体的な対策について伺いました。

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人手不足に陥る企業は、自社についての説明が不十分かもしれない

中小企業が人手不足に陥る原因のひとつとして、大企業よりも知名度が低く、求職者に対して魅力的な雇用条件を提示しにくいことが挙げられます。しかし、それ以前に自社についての説明が不十分な企業が多いのも実情です。
 
企業側は採用する求職者を選ぶ立場だと思っているかもしれません。しかし、求職者も様々な企業を比較して選ぶ立場です。つまり、企業は求職者から選ばれるような情報を提示してアピールする必要があります。
 
福利厚生や残業時間、待遇といった募集要項だけでなく、自社で働く魅力を伝えられるように工夫しましょう。たとえば、在籍する社員と求職者を引き合わせる機会を積極的に設けるのもひとつの方法です。社員の知人を紹介してもらう「リファラル採用」など、求職者との関係が築きやすい採用手段を選ぶのも良いでしょう。

人手不足を解消するには、条件の見直しも視野に入れる

多くの中小企業にとって人手不足が問題になっていますが、労働力の人口自体は増加傾向にあります。就業を希望する高齢者や子育て中の主婦の方、外国籍の方の増加が要因として挙げられますが、実際に採用に至るケースはそれほど多くないようです。つまり、就職を希望する人は少なくありませんが、採用につながらないのです。
 
たとえば、高齢者の方で週5日のフルタイム勤務を希望されるケースはほとんどありません。子育て中の主婦の方ならば時短勤務は必須ですし、子どもの急な病気や行事などへの対応に社内の理解がなければ続けられません。外国籍の方は「いつかは祖国に帰りたい」と考えている場合も多いため、終身雇用を前提とするのは難しいでしょう。このように、働きたくても企業の提示する条件と合致しないことが原因となっています。
 
しかし、仮に雇用条件に見合わなくとも、自社が求めている人材にマッチしていることもあるでしょう。人手不足を解消するには、現在の雇用条件を見直すことも一考です。求職者側の立場に立ち、労働日数や雇用形態などの諸条件を提示することで人手不足が改善される可能性があります。

人手不足解消の第一歩は、求職者側の立場に立つこと

人手不足が起こる背景には、求職者の目線に立てていないことが多々あります。高齢者や主婦、外国籍の方といった場合に限らず、求職者のニーズを敏感にキャッチすることが重要です。求職者が知りたい情報や条件は何なのかを考えてはじめて、本当の意味で採用活動のスタートが切れるといえるかもしれません。
 

<取材先>
採用コンサルタント/アナリスト 谷出 正直さん
新卒で大手人材紹介会社に入社。子会社への出向を含め、新卒採用支援事業に約11年間携わる。独立後、フリーランスとして企業の採用コンサルティングや採用アナリストとして活動。新卒採用に関する情報、ノウハウの収集や発信、共有の仕組み、人のつながり作りに強みを持つ。メディアへの情報提供やコラム連載、記事の寄稿、企業や大学でのセミナーの講師、人事・経営者向けの勉強会・交流会の主催、オリジナルのメルマガの配信などを行う。
 
TEXT: 佐々木ののか
EDITING:Indeed Japan + 成瀬瑛理子 + ノオト

 
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