キャッチコピーに関する基礎知識
キャッチコピーをつくる際のコツを知る前に、前提知識としてキャッチコピーを求人媒体に提示するメリットや重要性などの基礎部分を理解しておきましょう。
◆商品やサービスの魅力を一言で表すこと
そもそもキャッチコピーは、商品やサービスの魅力を一言で表すことをいいます。
キャッチコピーには、消費者の心を強くつかむ重要な効果があります。しかし、いくら魅力的なキャッチコピーをつくったとしても、それが長文である場合、かえって求職者の読む気力を損なってしまう危険性があるので注意が必要です。そのため、一言で自社の魅力やイメージを表せるようにすることが大切になります。
企業の魅力を一言で表すことができると、大量の求人媒体の中でも比較的目に留まりやすく、求職者からの注目を集めることが期待できます。キャッチコピーは求職者から企業に興味を持ってもらう最初のきっかけとなることが多いので、求人においてもキャッチコピーの重要性は高いといえるでしょう。
◆求人採用での重要性が増している
少子高齢化に伴い働き手が不足している昨今、若い人材から社会経験のある優秀な人材まで幅広く売り手市場となっています。企業としては、働き手となる人材を他社と競って採用しなければならないので、効果的な採用をおこなう重要性が増しているといえるでしょう。
このような背景があるため、求人票にキャッチコピーを活用することは、大量にある求人情報の中から差別化を図るために重要なものとなっているのです。
求人のキャッチコピーを作るときのコツ
せっかくキャッチコピーをつくっても、求職者の心をつかめなければ意味がありません。
ここでは、求職者に魅力を感じてもらえるよう、キャッチコピーをつくるときに意識すべきコツについて説明します。
◆ペルソナを明確にする
採用キャッチコピーを作成するにあたり、自社企業側と求職者側のニーズを理解し明確化する必要があります。ペルソナを明確にするためには、以下の3点を決める必要があります。
- 募集する人材を定める
- 求職者が求めている情報を複数挙げる
- 与えたい情報を絞る
まず募集する人材を明確化することで、これからつくるキャッチコピーや求人媒体を作成する際の方向性を定めることができます。たとえば、業界経験者を求めるのであれば、「年齢、業界経験年数、実績」を。若く優秀な人材を求めるならば、「年齢、学歴、ピンチを乗り越えた経験、アルバイト経験」といったように募集したい人材の詳細をなるべく明確に設定することが挙げられます。
募集する人材を定めたら、求職者側が求める情報を予想します。必要とする人材が、企業を応募するにあたりどのような情報を求めているのかを複数取り上げましょう。若く優秀な人材が必要なのであれば、「成長できる仕事を任せてもらえるのか」、「若い年齢でも役職につけるほどの実績があるのか」を。業界経験者で設定したのであれば「前職より給料が上がるのか」、「経験を活かした仕事をまかせてもらえるのか」といったニーズを考えます。
最後に、求職者に対して与えたい情報を絞りましょう。情報を絞ることで、一目見ただけで求職者にインパクトを与えるとともに、魅力を感じてもらいやすくなるからです。企業の社風や求める人材が分かりやすくなっているほど、応募者数が増えると期待できます。
◆短い言葉で切れ味のよさを重視する
キャッチコピーは、長文ではなく分かりやすい一言でつくることが大切。いくら魅力的なキャッチコピーをつくったとしても、読まれなくては意味がないからです。
人気業界や職種の求人であれば、ある程度長い文章になっても求職者は興味を持って読んでくれるでしょう。しかし、業種が売り手市場の場合は、求人募集文を隅から隅まで目を通してくれる確証はありません。求職者に興味を持ってもらえるキャッチコピーをつくるためには、目安として文字数を13文字前後にするのが良いでしょう。
◆求職者のメリットに沿う内容を考える
人材採用にあたり、求職者がメリットに感じられないキャッチコピーはあまり意味がないとされています。キャッチコピーをつくるときは、求職者がメリットに感じる情報をしっかり盛り込むことが大切です。
具体的には、「未経験者でも実績次第で役職を狙える！」や「前職の給料を考慮」など、入社前に求職者が不安に感じることを払拭できる情報を入れるのが望ましいでしょう。
◆わかりやすいキーワードに変換する
使用する言葉は、わかりやすいキーワードを選定するのがよいでしょう。ユニークなキャッチコピーでも問題ありませんが、ユニークすぎると企業側が考えている本質が求職者に伝わらない危険性があります。
社員のプライベートを大切にすることを主張したいのであれば「ワークライフバランスが充実」など、一目で理解しやすいキーワードを選定するのがおすすめです。
◆具体的な数値で表現する
数値で表せそうな内容は、文章ではなく具体的な数値を用いるのも一つの手でしょう。待遇は求職者が重要視する部分になるので、給与額や福利厚生、手当等の金額や数値をぼかしてしまうと、働いた後の待遇がイメージできにくく、求職者が離脱してしまう危険性が高くなるからです。
具体的な数値を表示することで、求職者が企業に対しての信頼度を上がることも期待できます。キャッチコピーから求人票をつくるときは、具体的な数値を提示することを意識しましょう。
◆ビジュアルにもこだわる
企業側が求人募集で重要視する点は、キャッチコピーだけではありません。求人媒体や広告に利用する画像やイラストも企業や働き方がイメージができるようなものを選定することも大切です。
求職者は、文言だけでなく、画像やイラストも含めて印象を形成します。ビジュアルによっては求人情報が幅広く拡散する可能性もあるため、場合によってはインパクトのあるビジュアルの利用も検討しましょう。
業種別求人キャッチコピーの考え方
業種によって、求職者が求める情報は異なります。
人材が集まりにくい業種であるならば、業種の特徴と求職者に響く切り口を理解してキャッチコピーの作成が求められます。ここからは、業種別に求人キャッチコピーの考え方を紹介します。
◆介護なら条件を前面に押し出す
介護は心身ともに負荷がかかりやすいイメージを持つ人もいるため、人材が集まりにくいことが懸念点です。
なるべく介護の仕事に魅力を感じてもらうためには、給与というプラスなイメージを前面にアピールするのがおすすめです。給与が競合他社と変わらないからアピールできない場合でも、「福利厚生が充実している」など、違う角度からアピールすることで、競合他社からの転職組を含めた応募者数を増やしやすくなるでしょう。
◆飲食なら人材にあわせる
飲食業界は、アルバイトを雇うケースも多いため、求める人材にあわせてキャッチコピーを考えるのがポイントです。
アルバイトであるならば、「経験に応じて優遇」「覚えた仕事分だけ時給UP」を。正社員の場合は、「福利厚生の充実」や「インセンティブを支給」といったことをアピールするなど、雇用形態にあわせて、求職者の働くモチベーションが上がるキャッチコピーを考えることが大切になります。
また、飲食業界は人材確保が難しい業界だといわれています。「アットホームな職場」や「初心者でも安心！先輩の優しいサポート付き」など、店舗の魅力や特有の働き方があればそこを前面に出してキャッチコピーをつくっていきましょう。
求人のキャッチコピーをつくるときの注意点
魅力的な求人のキャッチコピーをつくる場合、注意点を理解しておかなければ、かえって求職者にマイナスの印象を与えてしまいかねません。注意すべき点として、以下の4つが挙げられます。
- 良いところばかりをアピールしない
- 過激な言葉はNG
- 簡単な仕事をアピールしない
- ありきたりな表現にしない
これらの注意点を知っておけば、多くの求職者に企業の魅力を感じてもらえるようなキャッチコピーがつくれるでしょう。ここからは、求人のキャッチコピーをつくるときの注意点について詳しく説明します。
◆良いところばかりをアピールしない
優秀な人材やより多くの応募者を集めるために、企業の良いところばかりをアピールしても、早期退職につながってしまう危険性があるので注意が必要。なぜなら、企業の魅力的な部分だけを見てきた求職者は、入社した後に知るデメリットを強く感じてしまいやすいからです。
求職者側にマイナスなイメージを与えてしまいそうな情報だとしても、応募後のミスマッチを避けるために必要な情報であるならば、メリットと一緒に提示しておくことが大切になります。たとえば、「困ったときは仲間で解決！」という表現を盛り込めば、仕事上で困ったことが発生しても仲間や上司に相談できる環境だとアピールできます。
◆過激な言葉はNG
魅力的なキャッチコピーをつくる場合、ユニークさやユーモアさを追求することで、過激な言葉が含まれてしまうかもしれません。
ユニークすぎるキャッチコピーは、求職者に対して浮ついた印象や違和感を与えてしまい、かえって応募者数を減らすことにつながってしまう危険性があります。キャッチコピーを目立たせたいからといって過激な言葉をつかってしまうと、企業としての信頼性を失ってしまうリスクも高まります。
ユニークさや目立たせるキャッチコピーをつくるとしても、なるべく企業コンセプトから離れすぎないような言葉を選びましょう。
◆簡単な仕事をアピールしない
「誰でもできる仕事です」や「未経験でも安心」といったキャッチコピーは一見魅力的に感じるかもしれません。しかし、求職者によっては「具体的にどんな仕事なの？」や「資格などは必要ないの？」といった疑問を抱くことがあるので注意が必要です。ある程度社会人経験を積んだ人からすれば、「誰でもできる仕事なら別に自分でなくても良い」と遠巻きに見られる可能性があります。
ほかにも、「未経験でもできる仕事なら成長できなさそう」と、ネガティブなイメージを与えてしまうことも考えられます。仕事内容を表現する場合は、できるだけ具体性がある言葉を加えたキャッチコピーを心がけましょう。
◆ありきたりな表現にしない
キャッチコピーは、オリジナリティがあることで他社よりも目立たせやすくなります。よく目にするフレーズにしてしまうと、誰の心にも響かなくなるため、結果的に応募に結び付けられなくなるかもしれません。
世の中にはたくさんのキャッチコピーが存在しています。ありきたりな表現になっていないか、表現が単調になっていないかを確認することで、求職者にインパクトを与えるキャッチコピーに仕上げられるでしょう。
企業の強みと魅力を掛けあわせた独自性のあるキーワードを選定することで、ユニークなキャッチコピーをつくりやすくなると考えられます。
目を引く求人のキャッチコピーを考えよう
ここでは、キャッチコピーの考え方や魅力的なキャッチコピーをつくためのコツ、キャッチコピーをつくる際の注意点について説明しました。
キャッチコピーをつくった経験がないと、うまく制作が進まないかもしれません。どうしても思いつかない場合は、企業の魅力を客観視してみたり、ネガティブな要素をポジティブに変えられないか考えてみたりと、多角的な視点を持つことが求められます。
企業の魅力が即座に伝わるキャッチコピーを考えたら、実際に求人票に掲載し、採用活動を進めていきましょう。求める人材を効率的に集めたいのであれば、「Indeed」がおすすめです。訪問数No1の求人サイトである「Indeed」は、キーワードに合致した求人が出るのが特徴なので、ほかの求人方法よりも自社の求める人材像の目に留まる可能性が高いのが魅力となっています。
無料（※）で求人を掲載することもできるので、予算が限られている企業でも始めやすくなっています。有料オプションを利用すれば、求職者により多く表示することができるため、効率的に求職者にアプローチできる可能性が高まります。
