エンジニアの採用単価は高くなる? 採用コストを抑える方法

新たに人材を雇用する際、採用コストが発生します。中でも、エンジニアの採用単価は他の職種よりも高くなる可能性があると言います。一体、どうしてでしょうか。また、コストを抑えるにはどのような方法が有効なのでしょう。
エンジニア専門の人事・採用コンサルティングを行うワミィ株式会社代表の伊藤和歌子さんに伺いました。

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平均的な採用単価は?

採用コストは大きく分けて2種類あります。求人広告の掲載費や転職エージェントの手数料、採用後の研修費といった「外部コスト」、そして説明会や選考を行う人件費などの「内部コスト」です。採用コストの総額を採用人数で割った金額が一人あたりの採用単価になります。企業としては、この採用単価をできるだけ抑えたいところでしょう。
 
就職みらい研究所が発表した2020年の「就職白書」によると、2019年度の新卒採用の平均採用単価は93.6万円、中途採用の場合は103.3万円という結果になりました。
 
ただし、採用単価は採用手法によって大きく異なります。エンジニアは企業からの需要も高く、全体として人手不足の傾向があります。採用が難しいことから、採用活動が長期化したり、費用の高い採用手法に注力したりしすぎると平均以上のコストがかかってしまう恐れがあります。

エージェント経由では、エンジニアの採用単価が上がる場合も

エージェントを通して採用する場合、手数料が発生します。エージェントによって報酬の仕組みは異なりますが、採用された者の年収を元に算出する場合が一般的です。たとえば、エージェントを通じて新しい社員を年収600万で雇ったとき、手数料として年収の35%にあたる210万を支払います。さらに、エンジニアは人手不足で候補者を探すのが難しいため、他の業種よりも高い手数料で設定されているケースもあります。
 
スキルや実績のあるエンジニアを採用する場合、提示する年収も高くなるものです。高年収で採用するほど、エージェントへの手数料は上がります。もちろん、エージェントに採用業務の一部を任せられるので、社内の負荷が減らせるメリットもあります。外部コストと内部コストのバランスを考慮して検討することをおすすめします。

エンジニアの採用コストを抑える手法

たとえば、以下のような採用手法を取り入れることによってコスト削減につながる可能があります。

◆SNSやブログでの情報発信

長期的な採用施策としてはもちろん、採用ブランディングの一環としても、SNSなどで情報発信するのが効果的です。多くのSNSやブログは無料で利用できるため、初期費用がかからないのがメリットです。発信する情報は採用したい人物像によっても異なりますが、中でも技術ブログはエンジニア採用に役立ちます。技術ブログでは、自社の様子や取り入れている技術などの紹介を書いているケースが多いです。業務で使用している技術情報についてブログで紹介することによって、求職者のスキルとマッチしやすくなります。

◆リファラル採用

社員に人材を紹介してもらう手法をリファラル採用と言います。実際に働く社員からの紹介なので、エージェントや広告を使わないため外部コストを抑えられるのがメリットです。エンジニアの社員から紹介してもらうことで、スキルや実績だけでなく自社の雰囲気と合った候補者が見つかりやすくなります。
 
エンジニアに限らず、どの職種においても採用コストを抑える方法は基本的に同じです。ただし、採用コストが高くなる可能性があるので、特にエンジニア採用では採用手法を工夫するようにしましょう。

 
 
 

参考:
就職みらい研究所『就職白書2020』
https://data.recruitcareer.co.jp/wp-content/uploads/2020/06/hakusyo2020_08-11_Part2_up.pdf


<取材先>
ワミィ株式会社 代表取締役 伊藤 和歌子さん
新卒では電気通信企業にてシステムエンジニアとして勤務。2009年よりセキュリティソフトメーカーに転職し、人事部門責任者として採用・育成・制度設計・全社プロジェクト統括など、幅広い分野を担当。2016年にワミィ株式会社を設立したのち、デジタル人材やエンジニア専門の人事・採用コンサルティングや採用支援(RPO)のほか、従業員のITリテラシー向上施策の実行、女性活用支援などを行う。
 
TEXT: 成瀬瑛理子
EDITING:Indeed Japan + ノオト

 
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