求人検索が多い時期はいつ?
中途採用を成功に導くためには、採用活動を実施するタイミングが重要です。求人が多い時期に求人掲載を始めてしまえば、他社の求人に埋もれて求職者に自社の魅力が届かない可能性もあります。
求職者の「仕事探しの時期」に関する調査(2013年1月〜2019年4月、Indeed Japan株式会社)によれば、求人検索をする求職者の割合がもっとも多いのは3月。人員の入れ替えが多いこの時期は、業界を問わず転職活動に積極的な人材が増えます。
この結果を求人のタイミングと併せて考えると、ピークになる3月より前には求人の準備を進める必要があり、競合他社の多い時期はそれだけ求職者の選択肢が増えるということを念頭に置きましょう。
競合企業の動向
求人情報の時期は、業界によっても変動します。特に、月による求人率の変動が大きいのは、宿泊業・飲食サービス業、卸売業・小売業などが挙げられるでしょう。
サービス業や卸売業などは繁忙期前に求人をおこなうため、2月、6月、10月頃には特に求人が多くなる傾向があります。
また、大型連休の入る5月、8月、12月は、比較的変動の少ない業種でも求人が減少する傾向があります。
求職者の動向
一方、中途採用の求職者が求人を確認するタイミングは年度末の退職シーズンに重なるため、3月〜4月に集中しがちです。また、会社が中間決算期となる9月〜10月も転職する人が多い時期なので、他の時期と比べれば求人を調べる人が増える傾向があります。
「第二新卒」や「既卒」のキーワードに絞れば、4月の検索割合が突出して高い特徴があります。新卒入社した企業とのミスマッチがあったため、早々に求職情報を検索していると考えられるでしょう。
求人検索数の少ない12月〜1月、5月〜6月は、転職を決断する前に企業情報を見るタイミングとも推測できます。潜在的な求職者に対してメッセージを発信するならば、この時期が良いかもしれません。
無職となる期間が発生するリスクを避けるため、多くの求職者は退職を決める前に転職情報を探し始めます。そのため、検索数の多いタイミングだけを狙うよりも、定期的に求人広告を出すのがおすすめです。
ベストな中途採用のタイミング
こうした動向を確認したうえで、中途採用のタイミングとしておすすめするのは1月〜2月頃です。3月には多くの業界が求人を始めており、求職者もまた、4月に向けて転職活動を本格化しています。こうした求人ピークに重なることなく、求職者にとっても余裕のあるタイミングで日程を調整できるのは、1月〜2月です。
また、4月から入社する新入社員の研修が一段落する6月も中途採用に適した時期です。競合他社とタイミングが重なるかもしれませんが、3月〜4月のピークに比べれば落ち着いた採用活動ができるでしょう。
もうひとつの狙い目は、GWや夏季休暇と重なる5月、8月です。この時期はどの業界でも採用活動が少なくなり、求職者の検索数も減少する時期です。この時期に転職を考えるのは、普段忙しいために転職活動ができない優秀なビジネスパーソンである可能性があります。
このように、競合と求職者の動向を確認しながら、できる限り採用の集中する時期を避けて計画を立てるのが、中途採用のポイントです。どのような人材を求めているのかにもよるので、条件を整理し、適切なタイミングで求人を始めるよう心がけましょう。
参考文献:
Indeed press room『求職者の「仕事探しの時期」に関する調査を実施』
http://press.indeed.com/jp/press/jobsearchseason/
厚生労働省「産業別新規求人数の推移」
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/jirei_toukei/shokugyou_shoukai/_122954/_122963.html