コンプライアンス研修の意義とは? 準備とフォロー、資料の作り方

コンプライアンス研修のイメージ

企業の必要項目ともいえるコンプライアンス研修ですが、研修を行う際に意識することとは? 研修後のフォローの仕方、資料を作る際のポイントも含め、人事業務・プロジェクトの支援を手掛けるアルドーニ株式会社代表の永見昌彦さんにお聞きしました。

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コンプライアンス研修の意義

昨今、コンプライアンスという言葉がよく聞かれます。これは法令遵守という意味で、個人情報保護法、不正競争防止法、独占禁止法などの法律だけではなく、就業規則など各企業独自の規定も含まれます。
 
コンプライアンス遵守を目的に、多くの企業で研修が行われています。ただし、コンプライアンス研修を行わないことが法的に問題があるわけではなく、法令や就業規則を社員が完全に理解して順守できていれば、問題はありません。
 
しかし実際には、普段の業務と並行して各社員がコンプライアンスに関する様々な情報を得て、自分で勉強をしなければならないとするのは、現実的には難しいでしょう。それならば、まとまった形で会社がコンプライアンスに関する情報を社員へ提供するべきであり、それが会社の責任でもあると思われます。

コンプライアンス研修で意識すべきこと

コンプライアンス研修を行う際に留意すべきポイントを、以下に挙げて説明します。
 

◆実施するタイミングを考慮する

自社や、同業他社でコンプライアンス違反が起こり、問題となった場合には、即時に実施すべきでしょう。また、コンプライアンス違反が社会で注目されているタイミングにおいても、研修を行って組織としての問題点を改めて確認する必要があります。あるいは、会社で組織の変革などがあった際も、体制を新たにするという意味で実施に適したタイミングでしょう。
 

◆テーマを明確にする

特に社会人になって間もない新卒社員に対しては、コンプライアンスの基礎を伝える研修が必要です。業務に関する最低限の法的な知識、社会人としての振る舞い方などの研修が必須となります。
 
管理職が対象の場合は、コンプライアンスに関わる問題が起きた際にどのように振る舞う必要があるのかを研修に盛り込みます。そもそも、管理をしている組織でコンプライアンス違反が起きないようにするためにはどうすべきかという内容は必須でしょう。
 
さらに経営者を対象にした研修では、会社としてコンプライアンスに関わることをどのように考えていくべきか、また実際にコンプライアンスに関わる問題が起こった際に、社会に対して会社はどのように振る舞うべきなのかを考えさせるものになるでしょう。

 

◆継続的に行う

法律や会社の規定は、時代や事業の内容によって変わりますので、継続的に社員の知識をブラッシュアップさせる必要があります。また継続的に研修を行うことで、コンプライアンスを社員に意識させ続ける効果だけではなく、「この会社はコンプライアンスの問題についてしっかりと考えているんだ」と社員が会社を評価することにもつながるでしょう。

コンプライアンス研修で使用する資料の作り方

コンプライアンス研修を外部の業者ではなく自社で行う際は、資料も自分たちで作る必要があります。資料を作る際には、まず研修のゴールとなる目的を上記の「実施するタイミング」や「テーマ」から導き出し、明確にしてから作成をしましょう。
 
また、より正確で分かりやすい資料を作るために、会社の法務部門や社外の弁護士、ハラスメントの専門家に協力を求めることも検討してみることをおすすめします。

コンプライアンス研修終了後のフォロー

研修後に必要なフォローアップを以下で説明します。
 

◆アンケートを実施する

コンプライアンス研修に限らないことですが、研修を終えた後は、やりっぱなしにしないことが重要です。実施した研修に対するアンケートは必ず実施しましょう。アンケートで参加者の理解度を探り、その後の研修の効果を上げることが期待できます。
 
また事後のアンケートでは、当日は挙手しづらかったテーマに関して新たな声を集められる効果があります。アンケートを通して集めた意見を踏まえた上で、テーマと構成を練り直して資料をつくり、数カ月後に改めて研修を行うことで、さらなる効果が期待できるでしょう。

 

◆相談窓口を設置する

研修だけでなく、常に社員の相談窓口を持っておくことが望ましいと言えます。研修だけでは補いきれなかった問題を、この窓口を通して相談ができるからです。
コンプライアンス研修は、社員が安心して企業で仕事 をできるようにするために重要な研修の1つです。まだ着手していない場合は、ぜひ導入を検討してみると良いでしょう。

 

<取材先>
アルドーニ株式会社・代表取締役 永見昌彦さん
外資系コンサルティングファームなどで人事コンサルタントとして勤務した後、事業会社(ラグジュアリーブランド持株会社)で人事企画担当マネージャーとして人材開発・人事システム・人事企画を兼務。事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年携わった経験を活かして、2016年にフリーランス人事プランナー・コンサルタントとして独立。2018年に法人化。現在、人事全般のプランニング・コンサルティング・実務に携わっている。
 
TEXT:大久保太郎
EDITING:Indeed Japan + 波多野友子 + ノオト


 
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