
Indeedに求人を公開しませんか?
求人を作成するコンプライアンスだけでは不十分な理由について、また、透明性が人材獲得においてどのように競争優位をもたらすかについて説明します。
重要なポイント
- 求職者はAI自体を恐れているわけではありません。採用企業が情報を開示していなかったり、採用プロセスに人間が関わっていなかったりすることを不安に思っているのです。
- 採用活動におけるAIの活用について徹底した透明性を示す採用企業は、人材市場において明確な優位性を築いています。
- 信頼を損なうことなくAIを活用していくためには、透明性の確保を継続的な取り組みとして捉え、発信情報の更新、定期的な見直し、プロセスの改善に努める必要があります。
編集者メモ:以下は、Indeed Senior Talent Strategy AdvisorのKyle M.K.の考えに基づく記事です。内容は著者個人の見解であり、Indeed の公式見解を示すものではありません。
2026年に至るまで、採用企業、採用マネジャー、求職者と数多くの対話を重ねてきました。そうした経験の中で、1つ明らかになったことがあります。それは、テクノロジーの進化によって、私たちはこれまで以上に多くのことを、より速くこなせるようになったということです。
しかし、労働市場の逼迫とテクノロジーの進化が並行する中で、採用プロセスはいつしか「機械同士のせめぎ合い」のような状態へと変わっていきました。求人に即した履歴書を作成するためにAIを使用する求職者が増える一方で、求職者の適合性を見極めるためにAIを使用する採用企業も増えています。さらに、採用企業が大量の応募に対応するためにAIへの依存を強めるほど、求職者も選考を通過するためにAIを活用するようになっています。
いわば「ロボット対ロボット」の構図です。相手の方法に合わせているつもりが、すれ違いを招いています。その結果、双方ともに、自らはAIに依存しながら相手のAIの使い方に不信感を抱いているのです。
こうした状況だからこそ、採用企業にはこの膠着状態から脱却し、「私たちは人と人とのつながりを大切にしている」という姿勢を明確に示すチャンスがあります。

Kyle M.K.(写真)
求職者と採用企業の間で広がる、AIへの信頼の隔たり
現在の採用のあり方は、根底的な信頼の問題を生み出しています。わずか1年前と比べても、求職者が採用プロセスで感じているAIへの信頼度は低下しています。評価の公平性において、AIは信頼できると考える応募者の割合はわずか4分の1に過ぎません。ただでさえ内定承諾率の低下が深刻化している中で、採用企業はその信頼をさらに損なうリスクを冒すわけにはいきません。
一方で、採用企業はこれまで以上に応募の不正に対して警戒を強めています。また、受け取った履歴書が応募者の実際の能力を反映しているかどうか、ますます確信が持てなくなってきています。
しかし、これを双方の対立と捉えるべきではありません。求職者はシステムを悪用しようとしているわけではなく、アルゴリズムに即した内容にしなければ、採用者の目に留まらないという疑念を抱いているのです。また、採用担当者も、重要な意思決定を機械に任せたいとは考えていません。本来の仕事に専念できるよう、膨大な業務に対応するための支援を必要としているだけなのです。双方とも、単に保身を図ったつもりがこうした構造の罠に陥ってしまっているのです。
ここで明確にしておきたいのは、問題視すべきはAIそのものではない、という点です。実際、AIは、応募者の見過ごしを防ぐうえで有効なツールとなる場面が多くあります。また、AIを活用することで、人材採用チームは管理業務を自動化し、人とのつながりや関係構築といった、本来注力すべき業務に集中できるようになります。
AIが問題になるのは、それが「見えない形」で使われている場合です。可視化されていないことで不確かさが生まれ、結果として不信感につながります。さらに、他に選択肢を持つ応募者ほど、その採用プロセスを信頼できなければ離れていく傾向があります。
もちろん、採用における不公平なAIの利用を規制する法律はすでに存在しており、今後もさらに整備が進められていく見込みです。しかし、コンプライアンスはあくまで「義務」にすぎません。一方で、透明性を徹底するかどうかは採用企業の「選択」です。そして、その選択こそが応募者にしっかりと見られています。
Zapierに見る透明性の実践
雇用という大きな流れの中で見れば、採用プロセスはその一部に過ぎません。一人の人のキャリア全体から見ると、その期間はせいぜい数週間から数か月程度でしょう。しかし、その短い期間の中で、収入や生活の安定、自分を頼りにしている周囲の人々の期待に応えられるかどうかなど、人生に大きな影響を与える要素が左右されます。だからこそ、この取り組みには大きな価値があるのです。
信頼は双方向で成り立つものであり、それぞれの役割は明確です。採用企業は透明性をもって主導し、求職者は誠実さで応えます。では、それは具体的にどのように実現できるのでしょうか。
求人票に「AIを活用した採用を行っています」といった定型文を追記したくなるかもしれませんが、それはあくまで出発点に過ぎず、それだけでは十分とは言えません。形式的な対応にとどめるのではなく、採用におけるAIの透明性を、考え方そのものの転換として捉えることが重要です。可能な限りプロセスを開示し、その姿勢によって採用したい人材からより大きな信頼を得られると考えるべきなのです。
採用におけるAI透明性の代表的な実践例のひとつが、ワークフロー自動化企業であるZapier社です。
採用業務を担うエージェントAIのテストにあたっては、目的や想定される内容、そして希望する場合のオプトアウト(無効化)方法について、率直に説明しています。さらに、採用におけるAIに関するページでも、求職者に対して応募プロセス中のAI活用を推奨するとともに、責任ある利用のためのガイドラインも提示しています。
このレベルの透明性を通じて、Zapierをはじめとする採用企業は、自社の価値観を採用プロセスにも反映させる取り組みを進めています。これは、実際に応募する前から企業の印象を決定づける賢明な取り組みです。そして、単なる企業文化のアピールにとどまらず、現在だけでなく将来にわたって、優秀な人材を惹きつけるための長期的な戦略でもあります。
方針から実践へ。透明性の高い採用プロセスを確立する4つのステップ
透明性に唯一の正解はなく、すべての企業がZapierと同じ形を取る必要はありません。重要なのは、透明性を方針にとどめるのではなく、実践することです。幸いなことに、その実現に多くのリソースや労力は必要ありません。
1) プロセスを見直す
応募者に何かを伝える前に、まずは採用プロセスの中で、自社内で実際に何が行われているのかを整理しましょう。そのうえで、応募者との各接点においてAIがどのように活用されているのかを明確にします。まずは、以下の点を確認してみてください。
- AIが求人票の作成に使われているか。
- AIが履歴書の審査に使われているか。使われている場合、審査方法に関する基準を誰が定めているか。
- AIが面接の日程調整に使われているか。
- AIが面接の評価に使われているか。
- 各段階で、AIの公平性がどのようにチェックされているか。
組織内でAIの利用に関するポリシーをすでに整備している場合、最も難しい部分はすでにクリアしています。こうしたポリシーの多くは、自社の採用プロセスにもそのまま適用可能です。
一般的に、AIは技術的なスキルの評価に優れており、人間は対人スキルの判断に優れています。AIは要件を満たしているかを判断し、パターンを見つけることはできますが、応募者の価値観が自社の目指す組織の在り方に適しているかまでは判断できません。
こうした役割分担を明確にしたら、応募者と接する採用チーム全員がそれを自信を持って説明できるよう、必要な知識を共有しましょう。採用チームがプロセスにおけるAI活用について基本的な質問に答えられなければ、どれだけ対外的に透明性をアピールしても説得力は保てません。
2) AI活用の方針を共有する
採用プロセスにおけるAIの活用方法を整理したら、次はそれをしっかりと伝えましょう。免責事項に難解な法律用語を並べて埋もれさせるのではなく、応募者が理解し行動に移せるような、明確でわかりやすい言葉で伝えることが重要です。
ブログ記事の作成や採用ページの更新、さらには専用のランディングページの構築も有効です。目的は、テクノロジーをなぜ、どのように活用しているのかを明確に説明し、求職者が「システム攻略」をしなければ見てもらえないと感じないようにすることです。求人票からそのページへ誘導し、詳細を確認してもらいましょう。
さらに重要なのは、人間がどのタイミングで、どのように関与しているのかを明確に伝えることです。人間の関与を具体的に示すことは、信頼構築において非常に有効です。これにより、AIが人材を置き換える存在ではなく、支援するためのツールであることが伝わり、求職者に安心感を与えます。
また、このレベルの透明性を提供することで、求職者は応募するかどうかを十分な情報をもとに判断することができます。たとえ万人に好まれる内容ではなかったとしても、自社の採用プロセスを包み隠さず開示することこそが、適切な人材を見つけることにつながるのです。
一見意外に思えるかもしれませんが、採用におけるAI活用の詳細を共有することで、応募者とより深い信頼関係を築くことができます。
3) 選択権を提供する
透明性とは、単に情報を開示することではありません。相手がその情報をもとに、意味のある判断や行動を取れるようにすることでもあります。
求職者が自分の履歴書を人間に見てほしいと考えるのは、決して不合理なことではありません。求職者に対して、人間主導による選考プロセスを希望できる選択肢を設けることも検討してみましょう。確認すべき履歴書が増えることを負担に感じるかもしれませんが、少し前まではすべての履歴書を人間が確認していたことを思い出してみてください。今でも、その選択肢を持つことは可能です。
また、新たなAI規制の動向を注視し、応募者の権利に関する自社の考え方に反映させていくことも重要です。たとえば、私が関わってきた企業の中には、Blueprint AI Bill of Rights(2022年策定)を参考に、求職者への情報共有を維持するための独自ポリシーを策定しているところもあります。
応募者は、採用プロセスの各段階で何が起こるのか、どのようなデータが収集され、それに基づいてどのように意思決定が行われるのかを知りたいと考えています。そのため、十分な情報や選択肢を提供しないことは、追加の履歴書確認にかかる時間以上の代償をもたらす可能性があります。信頼や採用企業としての評判を損ない、本来出会えたはずの優秀な人材を逃してしまうということです。
4) 定期的に評価し、更新する
透明性への取り組みは、チームや企業価値に対する継続的なコミットメントでもあります。
ツールやシステムの進化に伴い、AIガバナンスポリシーも見直していきましょう。公平性を定期的に確認する仕組みを組み込むとともに、応募者向けの発信情報は、継続的な更新を前提とした「生きた文書」として扱うことが重要です。透明性あるAI活用のためのチェックリストを用意しておくことも、確認すべきポイントを整理する手助けになります。
可能な限り、改善した内容も含めてその結果を共有しましょう。こうした取り組みを行う採用企業こそ、規制強化や応募者の期待の高まりにもより適切に対応できるはずです。
コンプライアンスの先にある、AI透明性の意義
これまで、リーダー、採用マネジャー、採用担当者、応募者と数多くの対話を重ねてきましたが、いつも最終的には「誠実に向き合えていますか?」という問いにたどり着きます。
適切に対応している採用企業は、何が本当に重要なのかを理解しています。それは単にビジネスにとって有益だからではありません。応募の向こう側には実際の人がいて、その人たちは沈黙ではなく、誠実な説明を受けるに値する存在だからです。
今後もシステムが進化するにつれ、応募者側のAIと採用企業側のAIの緊張関係も新たな形へと変化していくでしょう。しかし、透明性を軸に採用プロセスを構築している採用企業には、変わらず提供できるものがあります。それが、信頼です。
この情報は、Indeed が本サイトの利用者に参考情報として提供しているものです。Indeed は、貴社の採用担当者や法務アドバイザーではなく、求人内容について責任を負うものではありません。また、本サイトに掲載されている情報は、成果を保証するものではありません。
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