現役採用人事の本棚 私の3冊(第18回:チクマ)

現役採用人事の本棚 私の3冊(第18回:チクマ)


中小企業に勤務する採用人事担当者は、社内の人数が少なく、相談する相手や情報収集の機会に恵まれないことがあります。どうすれば解決策を見出せるのか。連載「現役採用人事の本棚 私の3冊」では、スキルアップに役立つおすすめの本を現役の採用人事担当者が紹介します。今回お話を伺ったのは、株式会社チクマで採用人事の業務歴20年の澤田敏仁さんです。

 
 

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第18回 株式会社チクマ 澤田敏仁さん

 

【プロフィール】
採用人事の業務歴:20年
担当業務:新卒採用、中途採用の計画から選考プロセスの構築、面接の実施まで

1903年に創業した株式会社チクマは、繊維の専門商社としてビジネスやスクールユニフォームを手がける。1995年からは環境推進室を開設し、リサイクル事業にも取り組んでいる。

澤田さんは1993年に新卒として入社。貿易部門で営業として4年間、国内アパレルの企画商品を海外の工場で生産し、輸入する業務を担当した。うち2年間は自社企画の商品立ち上げや企画・営業も兼務。その後、1997年から採用人事業務に携わる。

 
 

採用人事の担当者におすすめしたい3冊は?

 
 

◆『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』

(スティーブン・R・コヴィー著、フランクリン・コヴィー・ジャパン訳/キングベアー出版)
 
同書を手にしたのは30代の頃です。テクニカルなスキル面ばかりを追求する成功哲学系の本をよく読んでいて、ピンとこないなと悩んでいた時期でした。
 
この本は、「人格主義」といって、成功を目指すためにはその土台となる人格を構築する必要がある、と説いています。そのために必要なのが、働くためだけでなく、生きる上でも重要となる「7つの習慣」です。7つの習慣とは具体的に、「主体的である」、「終わりを思い描くことから始める」、「最優先事項を優先する」、「Win-Winを考える」、「まず理解に徹し、そして理解される」、「シナジーを創り出す」、「刃を研ぐ」を指します。
 
個人的には第4の習慣「Win-Winを考える」が印象的でした。互いに利益を得る「Win-Win」の関係には、自ら行動する勇気と、他人に対する思いやりの両方がなければ成立しないのです。それまで意識して考えたことがなかったので、ハッとしました。
 
自分の考え方が変われば、行動が変わり、そうすれば周りの評価も変わる。折に触れては本を読み返し、思い出す機会を設けています。時間が経つと、また違った捉え方ができる素晴らしい本です。

 
 

◆『NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX』

(リード・ヘイスティングス、エリン・メイヤー著、土方奈美訳/日本経済新聞出版)
 
デジタル技術によって生活をより良いものへ変革する「DX(Digital Transformation)」という言葉が流行りだした頃、社内でもこれをよく理解して業務改善を図ろうとする機運が高まっていました。当時、DXの成功例として知られていたのがNetflixです。「参考になれば」と、同書を手に取りました。残念ながらDXについては書かれていませんでしたが、「変革の陰にITあり」と感じた書籍です。
 
Netflixは、有料会員数が世界で2億2,200万人いるといわれている知名度のあるサービスです。同書では、そのNetflixが、どういう理念で社内制度を構築し、企業文化を築いていったのかをリアルに感じられます。
 
具体的には、社内ルールの変遷や苦労、効果が経営者の言葉で綴られています。個人的には「それではコントロールを撤廃していこう」の章が衝撃的でした。企業の管理部門は、自由な社風を目指しながらも、ついルールを作成しがちです。でも、同社ではルールを撤廃します。社風を作り上げるためには、企業の理念や方向性を社員がしっかりと理解していること、そしてそれを実行できる社員が必要であることが書かれていました。
 
正直、ルールの撤廃という大胆な選択は、世界でも勢いのあるNetflixだからこそできるのだろうと思っていました。しかし実際は、同社も試行錯誤していたのです。企業文化の変革は一足飛びにできるものではありません。この本を読んで、私たちも一つずつ地道に積み上げていこうと思えました。

 
 

◆『1シート・マーケティング』

(三浦崇典著/ポプラ社)
 
著者である三浦崇典さんの「1シート・マーケティング講座」を受講したので、その復習用に購入しました。三浦さんは「天狼院書店」の店主で、同書店10店舗と1スタジオを展開する経営者です。
 
この本では、マーケティングの要素を紙1枚に分析する独自の手法「1シート・マーケティング」を紹介しています。その基本理念である第1編の「7つのマーケティング・クリエーション」では、複雑に考えがちなマーケティングを7つの要素に分けて表しています。この考え方は、様々な企業を分析するのに非常に役立ちます。事業の成り立ちから販売の仕組みまで理解できるようになりました。
 
著者のエピソードを交えつつ、高校生でも理解できるように書かれている、マーケティングの入門書といえる一冊です。就職希望の大学生へ説明をする時や、採用活動で評価するときに役立っています。

 
 

【自社での取り組み紹介】グループワークだけでなく、振り返りシートでも評価を

 
 

◆インターンシップは、学生の自己理解を深めるきっかけづくりに


当社ではインターンシップとして大学生を受け入れています。その始まりは、10年以上前、大学のキャリアセンターから依頼されたことでした。現在は大学との協定により、毎年夏に10日間実施しています。期間中はオリエンテーションや報告書作成のほか、様々な部署で社員と一緒に仕事を体験してもらっています。
 
当社のインターンシップの目的は、採用ではなく、産学連携と社会貢献です。ですからインターンシップ終了後に採用の優先枠を設けたり、面接の案内をメールしたりすることはありません。学生は当社での経験をもとに、働くときの会社の雰囲気や仕事について学び、自分の就職について考えるヒントにしていくのです。
 
それでもインターンシップをきっかけに入社試験を受けに来てくれる学生はいて、実際に採用に至ったケースもあります。学生が自己理解を深め、様々な企業へと飛び立つ様子は、私たちにとってもいい刺激となっています。

 
 

◆多方向から入社希望の相手を見る


人の個性は、じっくりと話を聞かないとわからないものです。採用担当者として多方向から総合的に評価する機会を設け、相手と向き合うようにしています。
 
たとえば、新卒採用では、面接とグループワークを導入しています。どちらか一方の評価では把握しきれない個性を見るためです。
 
以前、グループワークで一言、二言話しただけで、あとは行動できない学生がいました。通常であれば不合格にするところです。しかし、ワーク後の振り返りシートには自己分析がしっかりと書かれていました。それを見て、「次の面接に残してみよう」と決めたことがあります。その学生は結果として採用に至り、現在も当社で勤務しています。
 
様々な人との出会いがあるのが採用職の面白さ。一人ひとりの個性に気づけるよう、柔軟に対応していきたいと思っています。

 
 
 

TEXT:ゆきどっぐ
EDITING:Indeed Japan + ノオト

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