現役採用人事の本棚 私の3冊(第13回:ソウ・エクスペリエンス)

現役採用人事の本棚 私の3冊(第13回:ソウ・エクスペリエンス)


中小企業では採用・人事・労務業務を少人数でこなすケースも少なくありません。情報交換の機会が乏しいと感じる場合、どのように知見を深めていけばいいのでしょうか。現役で活躍する採用人事担当者が、実務や心構えのヒントになるおすすめの本を紹介します。

 
 

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第13回 ソウ・エクスペリエンス株式会社 平山亜貴子さん

 

【プロフィール】
平山 亜貴子さん
所属:ソウ・エクスペリエンス株式会社
担当業務:総務・労務関連業務、社員・アルバイトの採用関連業務
業務歴:3年目
 
2015年8月、体験ギフトを企画・販売する同社にアルバイトとして入社。体験施設への予約業務などを行うカスタマーサポートに従事した後、コーポレート職に異動し正社員に登用。2019年から総務・労務業務のほか、アルバイト採用のサポート業務を開始する。
 
現在は業務範囲を広げ、社員・アルバイトの採用に関する窓口業務から面接設定、内定者フォロー、入社対応まで行う。採用・人事・労務担当として、全従業員と関わる立場である。
 
勤怠管理システムの導入、アルバイト全員の有給休暇導入、衛生委員会の設置に取り組むなど、スタッフが働きやすい環境づくりにやりがいを感じる。採用担当としては、応募者・入社候補者が不安にならないよう「早めの連絡」と「わかりやすい説明」を心がける。

 
 

人事・労務の担当者におすすめしたい3冊は?

 
 

◆『これだけは知っておきたい! スタートアップ・ベンチャー企業の労務管理』

(寺島有紀著/アニモ出版)
 
多くのベンチャー企業の労務をサポートしてきた著者が、スタートアップ・ベンチャー企業の労務管理の実務を手ほどきする本です。
 
ベンチャー企業の成長フェーズごとにケーススタディを交えながら説明がなされ、とてもわかりやすいです。ベンチャー企業のコーポレート職(人事や総務などの本社機能部門)に就かれている方が「基礎の基礎」として読むのにおすすめです。私自身も最初にこの本を手に取りました。
 
顧問の社労士さんに依頼や質問をする前に確認しておきたい内容はもとより、まだ導入できていない労務管理の仕組みの構築、副業・海外赴任者の労務なども記載されており、コロナ禍以降の働き方にも参考になる一冊だと思います。
 
私は前職が金融業で、かっちりした規定がある環境で働いていました。転職して、中小・ベンチャー企業の働き方とのギャップに驚いたのも事実です。本書はそのギャップを埋めるのにも役立ちました。
 
自社に新たな労務上のルールやシステムを導入する際、社風を無理に変えることなくソウ・エクスペリエンスらしい規則の導入ができたらいいなと思うようになったのも、本書の影響です。

 
 

◆『「労務管理」の実務がまるごとわかる本』

(望月建吾、成澤紀美、蒲島竜也、杉山晃浩、堀下和紀著/日本実業出版社)
 
ベテラン社労士5名が、刻々と変わる労働法制の現場対応についてイチから体系的に習得できるよう解説した本です。はじめて労務管理を任された新人でも無理なく仕事が遂行できるように、あくまで現場に即した実務を学べる構成になっています。
 
労務管理の重要テーマである「労働時間・休日・休暇」や「妊娠・出産・育児」などのトピックを13章に分け、1節を見開き2ページで簡潔にまとめてあり理解しやすいです。就業規則の規定例や実践知識となる裁判例など書式例・実例が充実しているので、本書を活かして実務に取り組めると思います。
 
私がこの本を読んだのは、ちょうど弊社がアルバイト全員への有給休暇の導入を決めたタイミングです。本書の内容を実践的に活用することができました。またアナログだった勤怠管理をシステム化するにあたり、休日や労働時間の設定を行う際にもとても参考になりました。
 
弊社にはアルバイトスタッフを含めて長く勤務している方が多くいます。この本を読み、さらに長く働ける環境を整えたいとの思いを強めました。

 
 

◆『あなたの話はなぜ「通じない」のか』

(山田ズーニー著/ちくま文庫)
 
プライベートでも会社でもコミュニケーションはとても大事なこと。コミュニケーション上手になるためにはどうすればいいのか? 本書は「問い」の発見に価値があるとして、いい「問い」をどうやって見つけるか、どうやって「問い」の視野を広げるかに言及しています。問いを発見するには、過去から未来に続く「時間軸」、身の回りから世界につながる「空間軸」、他者や自分を掘り下げる「人の軸」など、様々な軸をあたってみようというアドバイスが印象的でした。
 
相手に言いたいことを伝えるには、相手との信頼関係を築くことがとても重要だと著者は説明します。自分が他者に与える信頼度の違いが情報の信頼性に大きく関与するとして、それを自身の「メディア力(りょく)」と表現しています。まさしくそうだと納得したワードでした。
 
著者の経験から生み出された考え方が取り上げられていて、とても面白かったです。私は本書の内容を「自分を伝えるための心構え」として頭の片隅に置き、コミュニケーションを取るようにしています。
 
多くの人に読んでもらいたい一冊ですが、これから新たにチャレンジの機会がある方、求職中の方、転職や部署異動されて環境の変化があった方には、特におすすめです。

 
 

【現役の労務管理担当が話すやりがい】カルチャ―とリンクした労働環境づくりで従業員のパフォーマンス向上を目指す


弊社は、コトやモノへチャレンジするきっかけを贈る「体験ギフト」サービスを提供しています。スローガンとして掲げる「Good Experience, Good Life.(良い経験が、良い人生)」が社内にも浸透しており、さまざまな方面へ興味・関心を持つ好奇心に溢れるスタッフばかり。趣味を持ち、プライベートを充実させている従業員が多いのが特徴です。
 
そのため従業員の突発的な休みにも対応できるようにすると共に、自身の健康やプライベートの時間も大切にして欲しいと、法律で定められた年次有給休暇に加えて10日間の有給休暇を付与しています。素敵な体験を通して人生を豊かにしてもらいたいと考える、弊社らしい制度だと思います。
 
人事・労務部門は、他部署とは違い結果や成果が目に見えて分かるものではありません。でも、従業員みんなが良いパフォーマンスができるように労働環境を整えることで、社員が素敵な商品を生み出したり、成果をあげたりできるでしょう。そうした姿を見た時に、人事労務の仕事のやりがいを感じることができます。
 
これからも業務知識を蓄積するひとつの方法として読書を続け、全従業員のパフォーマンス向上をサポートしていきたいと思います。

 
 
 

TEXT:合戸 奈央
EDITING:Indeed Japan +ノオト

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