現役採用人事の本棚 私の3冊(第12回:ティーペック株式会社)

現役採用人事の本棚 私の3冊(第12回:ティーペック株式会社)


中小企業の採用人事担当者は、担当する人数が少なく、仕事の悩みや情報交換ができる場に恵まれないケースがあります。連載「現役採用人事の本棚 私の3冊」では、業務のスキルや心構えに役立つおすすめの本を現役の採用人事担当者から紹介しています。今回は様々な企業の社員から健康相談に応じるティーペック株式会社の採用人事担当者におすすめの3冊を聞きました。

 
 

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第12回 ティーペック株式会社 伊藤正行さん

 

【プロフィール】
採用人事の業務歴:約20年、同社では3年目
担当業務:採用計画に基づいた企画立案、募集、選考、内定者フォローとマネジメント業務
 
ティーペック株式会社は「日本の新しい健康インフラになる」をビジョンに掲げ、医師やカウンセラーらによる電話やチャット、メールを使った健康相談やメンタルヘルスケアを行う。
 
伊藤さんは2019年8月に中途入社。採用業務以外に、研修の企画立案と運用、マネジメントや人事制度の改定、社員のキャリア支援施策の立案、タレントマネジメントシステム導入などを担当する。現在は社員のエンゲージメントや積極的なキャリア形成を促す環境作りのためのキャリアコンサルティング制度の導入を計画中。

 
 

採用人事の担当者におすすめしたい3冊は?

 
 

◆『人を動かす 新装版』

(D・カーネギー著/山口博訳/ 創元社)
 
著者のデール・カーネギーは様々な職を転々としたのちに、話し方講座の人気講師となった人物です。受講生と接するうちに「話し方よりも対人関係を良好にする技術が必要だ」と感じて研究を続け、1936年に同書を出版しました。その後も時代に合わせて改訂が続けられ、現在では日本国内だけで500万部以上を刊行しています。
 
同書では、「人を動かす三原則」「人に好かれる六原則」などが多くの実例を交えてまとめられており、人と接する際に気をつけるべきポイントが頭の中にスーッと入ってきます。とても分かりやすいので、コミュニケーションの教本としておすすめです。
 
実際に、当社では中途採用で入社する社員に研修の一環としてこの本を必ず読んでもらっています。というのも、私たちは組織内の個人間・部門間のコミュニケーションを特に重視しているからです。同じ本を読むことで、その価値観を共有しています。

 
 

◆『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』

(伊藤羊一著/SBクリエイティブ)
 
世の中に出回る自己啓発本は、どれも役に立つのでなるべく読んだ方が良いと思いますが、その中でも厳選するなら、この本を選びます。
 
同書では、伝えたいことをシンプルにわかりやすく相手に伝える技術が書かれています。最終章の「実践編」では会議やプレゼン、上司への提案など普段の業務が想定されており、実用的で説得力があります。
 
採用人事は、説明会や面接などで社内外に向けて発信する機会が多い職種です。会社の情報をたくさん知ってもらいたくて、ついあれもこれもと話したくなりますが、大事なことだけを抽出して伝える大切さに気づけます。

 
 

◆『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365 現代編』

(デイヴィッド・S・キダー、ノア・D・オッペンハイム著/小林朋則訳/文響社)
 
「1日1ページ、読むだけで身につく」シリーズの「現代編」である同書は、この100年間で起こったニュースやエンタメといった現代文化がぎゅっと濃縮して書かれています。
 
「1日に5分だけ読めばいい」というキャッチフレーズの通り、曜日ごとに「人物」「音楽」「社会」「スポーツ」などのジャンルのトピックが1ページにまとめられています。本を読むのに時間がかかる私には合っている一冊でした。
 
幅広い知識を得ることに長けた本ですが、その分、自分に興味のない話があったり、専門書のように深く知ることはできなかったりします。それでも、多分野にわたる知識は社員同士の何気ない会話や、面接に臨む際にも役立ちます。人とコミュニケーションを取るために知識を得たい、という方におすすめです。

 
 

【自社での取り組み紹介】コミュニケーションの良し悪しは業務にも影響を及ぼす


当社では、どんな時もコミュニケーションを重視しています。それは良いコミュニケーションこそ、社員同士の人間関係や業務に好ましい影響をもたらすと考えているからです。
 
良いコミュニケーションを生むための一環として、当社では1on1のミーティングを取り入れ、部下の話を上司が傾聴し、アクションプランなどを部下が出せるように促しています。話を聞く際のテーマは、フィジカル(からだ)、メンタル(こころ)、ソーシャル(人や組織とのつながり)の3つです。それぞれで不安に感じていることを熱心に聞き、負担を軽減する健康支援を行います。これ以外に、業務支援や内省支援などでもフォローします。
 
1on1を取り入れるのは、それほど高いハードルではありません。もし導入を検討する場合は、「主役はあくまでも部下」であることを忘れないようにしましょう。上司が聞きたいことではなく、部下が聞いてほしいことに耳を傾ける姿勢を大切にしてください。
 
また、新入社員が入社後に「こんなはずではなかった」「聞いていた内容と違う」とギャップを感じるのは、当事者である社員にとっても、会社にとっても、不幸以外のなにものでもありません。
 
入社後にギャップを感じてからでは、どんなにフォローしても遅い。だからこそ、入社前に会社の現状をありのまま伝えることが大事だと思います。
 
当社では選考時の質疑応答や面談で、不明点をそのままにしないよう心がけています。結果、3カ月間の試用期間を終えて本採用となる時に、ネガティブなギャップを感じている社員はほぼいないようです。
 
採用職のやりがいは、入社した社員が活躍しているエピソードを耳にした時です。さらに、「この会社に入って良かった」という声が聞けたら、嬉しいですね。そのためにも、コミュニケーションを重視した関係作りを大切にしていきたいと思っています。

 
 
 

TEXT:ゆきどっぐ
EDITING:Indeed Japan +ノオト

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