「企業委員会」導入で期待できる効果とは?

ミーティングをしている様子


「企業委員会」は、社員が社内で行う委員会活動です。 各部署から集まったメンバーにより組織を横断した取り組みを行うことで、様々な効果があると言われていますが、一方で導入するときに注意しておくべきこともあります。うたしろ FP社労士事務所の社会保険労務士、歌代将也さんに伺いました。

 
 

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企業委員会とは


企業委員会とは、会社の本来の業務とは別のかたちで、社員が企業に貢献するために取り組むための組織です。「社内委員会」など企業によっては別の呼び方をしている場合もあります。
 
企業の組織は縦割り構造が一般的ですが、企業委員会では様々な組織の人が関わり活動する、横串の組織であることが大きな特徴です。中学校や高校の風紀委員や保健委員のような、各クラスからメンバーを選抜して行う委員会活動を思い出すと、イメージしやすいかもしれません。
 
企業の本来の業務は各部署が行いますが、企業委員会では、それ以外の改善すべき課題に対してやや長期的な視点で取り組むことが多い傾向にあります。しかし、場合によっては、採用活動のように、ある一定の時期だけ人手が多くかかる、部署を横断した取り組みが必要といった業務に活用されることもあります。

 
 
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企業委員会の事例


企業委員会のジャンルやテーマは様々ですが、大きく2つに分けることができます。1つは、会社の経営課題解決や改善に向けて取り組む活動。もう1つが社員の福利厚生やクラブ活動に近いテーマに取り組む活動です。いくつか例を挙げて紹介します。

 
 

◆改善(カイゼン)委員会


企業内の改善活動を推進するために必要な提案を行うための委員会です。例えば、業務効率や品質管理などの改善に向け、社員の現場目線のアイデアを集結することで、より実行力のある改善策を提案できます。

 
 

◆人材育成委員会(研修委員会)


社員のための研修や勉強会などを行う委員会です。例えば、内定者向け研修の企画・実施、新卒・中途入社の社員向け研修の企画・実施、社員の知識やスキルアップのためのさまざまな社内勉強会の開催などが挙げられます。

 
 

◆経費削減委員会


経費削減への啓発活動や、経費削減に向けた改善アクションなどを行う委員会です。例えば、ペーパーレス化への取り組みや照明のLED化などを周知・実行するような取り組みが挙げられます。

 
 

◆レクリエーション委員会


社員が楽しみながらコミュニケーションができるようなレクリエーションを企画・実施する委員会です。例えば、社員旅行、忘年会、スポーツ大会、誕生会などの実施や、自治体や他企業のイベントへの参加などが挙げられます。

 
 

◆子育て委員会


子育て中の社員が働きやすい職場環境を整えるための活動を行います。例えば、社内子育てコミュニティによる交流を行うなど、両立のしやすい雰囲気や環境づくりなどが挙げられます。

 
 
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企業委員会のメリット・デメリットとは?


企業委員会を導入することで、どのようなメリットが期待できるのでしょう。

 
 

◆メリット


・全社横断的な取り組みができる
縦割りの構造になっている会社のなかで、横断的な組織として各部署が協力しながら活動できるところが、企業委員会の特徴であり、大きなメリットになります。
また、すぐに取り組むべき業務とは異なり、急ぎではないものの会社にとって必要である社内のルール作りや見直しなどを行うことが可能です。
 
・リーダー体験ができる
会社全体に関わる活動を通して、委員会のメンバーはリーダー的な視点や思考力、コミュニケーション力などを養うことにつながります。また、経営層からのトップダウンではなく、ボトムアップの提案を行う姿勢を育む効果も期待できます。
 
・社内の風通しが良くなる
全社横断的な組織として企業委員会を導入することで、組織間のコミュニケーションが活発になり、風通しのよい社内環境づくりにも貢献します。社内の雰囲気や社員の士気の向上が期待できます。
 
様々なメリットが期待できる一方で、企業委員会を導入することによるデメリットや注意しておくべきこともあります。

 
 

◆デメリット


・社内での責任の所在があいまいになる
社員研修や職場環境改善など、本来は総務部や人事部が業務として行う領域と重なる場合は、権限や責任の所在があいまいになってしまう懸念があります。企業委員会の役割や進め方などを事前に明確にしておくことが大切です。
 
・社員の仕事が増えてしまう
通常の業務があるなかで企業委員会の活動も負担することになると、仕事に対する士気が下がってしまうケースもあります。
また、委員会メンバーの上司が、部署の仕事が忙しいなかで部下を参加させなくてはならないことに反感を抱く場合もあるでしょう。企業委員会を導入する目的や必要性について、広く理解してもらうことが大切です。
 
・参加者の意識やモチベーションの統制が難しい
課題意識や興味を持つ任意のメンバーだけで行う企業委員会であれば問題ないですが、強制的に参加するメンバーがいる場合は意識やモチベーションの統制が難しくなりがちです。

 
 

企業のPRにもなる企業委員会


企業委員会は、職場環境の改善や参加メンバーの育成が期待できるなど、社内にメリットの多い活動ですが、その活動を対外的に紹介することで、企業のPRにもつながります。社会的に注目を集めているテーマやユニークなテーマでの取り組みで、取引先や求職者に対して企業の色をアピールすることも可能です。
 
はじめて企業委員会を導入する際には、委員会で取り組む領域、その権限や責任の所在を明確にしながら、小さな成功体験を積み重ねていくと良いでしょう。何か身近なルールづくりに向けて有志を募り、その輪を広げていくような導入の仕方もおすすめです。

 
 
 

<取材先>
うたしろFP社労士事務所 社会保険労務士 歌代将也さん
 
TEXT:武田明子
EDITING:Indeed Japan + ミノシマタカコ + ノオト

 
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