中小企業の2つの経営課題「売上・シェアの拡大」と「人材採用」
まず、中小企業が抱える経営課題をあらためて整理しましょう。
中小企業庁の「2020年版 小規模企業白書」によれば、中小企業が抱える経営課題としてもっとも多く挙げられているのが①「売上・受注の停滞、減少」でした。2020年時点で回答者全体の約40%がこの点を問題だと感じています。
そして、次に割合が大きいのが②「採用難」です。特に2010年代中盤以降、人材採用に課題を抱える企業が増加傾向にあります。2015年時点でその割合は中小企業のうち約20%ほどでしたが、この10年ほどで10ポイントほど増加し、2020年時点では約30%が採用難を問題視している状況です。
「売上・シェアの拡大」と「人材採用」の切り離せない関係とは
では、①「売上・受注の停滞、減少」と②「採用難」の2つの経営課題の関係性はどのようなものでしょうか。
日本能率協会の調査によれば、中小企業が「現在」感じる課題では「収益性向上」、「3年後」を見据えたときに感じる課題では「人材の強化」がトップを占めていました。
これはつまり、現在の収益性向上(=①「売上・受注の停滞、減少」の解決)はもちろん大切ですが、他方で、未来に向けた採用の強化(=②「採用難」の解決)も同時に行わなければならないという課題意識があるといえるでしょう。
ここには、「売上・受注の停滞、減少」の解決に、採用の改善が密接に関わっている背景が考えられます。たとえば、宿泊業や飲食・サービス業などの労働集約型のビジネスでは、「営業担当者の人数」や「店長の人数」などの人員数と、業績が比例関係にある場合が多いでしょう。そのため、新規出店や事業拡大を通じて売上増を目指すなら、必ず人員補充(=採用)が必要となってきます。他のビジネスにおいても、各ポジションにおいて経験豊富な人材を採用することは中長期的に見て業績アップにつながるでしょう。
繰り返しとなりますが、「売上・シェアの拡大」と「人材採用」は切り離せない関係があるのです。
「人は辞めても採ればいい」から「採用した人材を定着・育成する」へのシフトが必要
採用課題の解決には現状を把握することが必要です。
近年は採用をしたい企業の数(買い手)に対して、求職者の数(売り手)が少ない「売り手市場」が進んでいることが考えられます。そのため「新規出店しても従業員を十分な人数採用できない」などの状況に陥りやすくなり、人材の採用に課題を持つ企業が増加しているのです。
さらに、売り手市場化が進んだ現在は、求職者にとって比較的転職しやすくなってきています。そのため、企業が採用したとしても早期離職されてしまう可能性が高くなっています。そこで、中長期的な企業成長を視野に入れたとき、採用だけでなく採用後の定着・人材育成の観点も含めて採用戦略を設計する必要性がより一層重要となってきています。「退職者が出ても、また新たに採用すればいい」という考え方ではなく、定着まで含めた「中長期的な人材戦略」を意識することが重要なのです。以降は、そのためのポイントを解説します。
中長期的な人材戦略には、能力やスキルだけでなく、「企業文化に合っているか」も大切
「中長期的な人材戦略」を作る上で意識すべきポイントになるのは、求職者の目線で情報発信を続けることです。その際、自社の文化や風土を求職者に分かりやすく打ち出し、企業文化に共感してもらえる人材を採用することが重要です。以下、具体的な内容を説明します。
◆ポイント①:求職者の自社理解を促進する
採用活動で作成する求人票には、求職者に求めるスキルや条件などの募集要項を載せることが一般的です。しかし、それだけではなく、自社がどういう企業なのか、自社独自の文化や雰囲気、考え方などを求人票に記載することが重要になってきています。
採用した人材が、「入社前に想像していたことと違う」とマイナスの印象を持ってしまえば、人材が定着しづらくなってしまいます。そこで、企業の文化や理念を求職者に伝え、「自分の価値観に合うかどうか」の判断材料を用意することで、採用後の定着率を上げられる可能性が高くなります。具体的なシーンやエピソードを伝え、その中で社風を求職者に訴求することが大事です。
注意点として、企業の魅力が伝わりづらくなる可能性があるので、抽象度の高いワードを多用するのは避けましょう。たとえば、「アットホームな社風」「様々なキャリアが身につく」「創造力を活かせる」などの言葉は他社も使っている可能性が高く、このワードだけでは自社独自の社風や雰囲気は求職者に伝わりにくい傾向があります。
◆ポイント②:自社の事業や業務、文化を整理し、言語化する
前述したポイント①の「求職者の自社理解を促進する」を成り立たせる求人票の作成には、自社の事業や業務を整理した上で、自社特有の文化を客観的に説明できることが重要です。そのために有効なのは、「自社は何のために存在しているのか」という問いに答えられるようにすることです。これによって、企業理念や経営者の考えを問い直し、言語化ができるでしょう。
Indeedはあらゆる採用ニーズに柔軟に対応
あらゆる採用ニーズに柔軟に対応できるIndeedなら、「中長期的な採用戦略」を立てた上で、長く自社で働いてもらえる人材の採用活動に活用することができます。以下、詳しく見ていきましょう。
◆Indeedなら求人票作成のプロセスをスムーズに進められる
Indeedでは求人情報を掲載する際に活用できるテンプレートが用意されており、いつでも利用が可能です。テンプレートを使い表示される項目に沿って必要情報を入力するだけで、求人票が完成します。求職者に自社理解を促進させるために必要な項目も網羅されており、魅力的なメッセージ作成が手軽に行えます。
まず、求人票に必要な内容は次のとおりです。
Indeed内で使用する際は、求人票の作成画面で「求人テンプレートが利用可能です」という項目の「詳しく見る」をクリックします。入力例を確認することができ、どんなことを書けばよいかがわかります。
加えて、本記事で説明したような「自社はどんな企業で、何を大切にしているのか」「働く人はどんなことに重きを置いているのか」などについても、求人情報として丁寧に説明しましょう。Indeedの場合、求職者が知りたい基本的な情報のほかに、文字数制限はないため、より詳細な求人情報の記載が可能です。
◆自社の状況に合わせていつでも情報のアップデートが可能
Indeedは、掲載後であってもいつでも求人情報の内容の変更ができるため、自社の求人情報の閲覧数や求職者の傾向を見ながら、随時求人情報を柔軟かつスピーディーにアップデートしていくことが可能です。たとえば、今まで面接は対面のみだったところ、オンラインで対応が可能になったというケースであれば、「オンライン面接可」の文言を、掲載中の求人情報に反映できます。
その都度、自社の状況を考慮した上で、より適切な表現を試行錯誤し続けることで、将来長く自社に定着する人材の興味を惹く可能性も高まり、入社後のギャップやミスマッチも減る可能性があるでしょう。
◆企業ページをIndeedで無料作成できる
Indeedでは、求職者に企業情報を伝えるための「企業ページ」の作成機能も無料で利用可能です。これを活用することで、採用サイトを持っていない企業でも、自社の採用ページとして企業の魅力を、画像やテキストなどで伝えることができます。
企業ページには、主に以下の情報を掲載することが可能です。
- 企業ロゴ
- カスタムコンテンツ
- Q&A
- 写真、動画、テキスト
- 企業に対するクチコミ
企業ロゴや画像・動画といったビジュアルを用意することで、より自社の文化への求職者の理解が深まります。
◆有料の「スポンサー求人」を使えば、求人情報が求職者の目に止まりやすくなる
Indeedには「スポンサー求人」と呼ばれる有料オプションがあります。有料の「スポンサー求人」を利用する最大のメリットは、求人情報がIndeedの検索結果の上位に表示されやすくなることです。
Indeedには求人情報が毎秒追加されているため、無料求人掲載を行うだけでは自社の投稿が埋もれやすくなります。「スポンサー求人」を利用することで、自社の求人情報が求職者の目に止まりやすくなります。
料金が発生するのは「スポンサー求人」として掲載された求人情報を求職者がクリックした場合に限ります。つまり、有料オプションを選択しても、求職者がクリックしなければ料金は一切発生しません。
料金は「クリック課金型」という方式で、求職者が「スポンサー求人」と表記のある情報をクリックした場合に、設定された単価の料金が課金される仕組みです。「何回もクリックされたら、結構な金額になってしまう」と心配されるかもしれませんが、あらかじめ上限金額を設定でき、事前に設定した予算に到達すると自動的に有料掲載が休止するので、予算オーバーとなる心配はありません。
また、「スポンサー求人」のご利用が特定の条件を満たすと(※)、「採用市場レポート」と「企業ページプレミアム」という機能が利用できるようになります。(※具体的な条件はIndeedの営業担当にお問い合わせください)
「採用市場レポート」は、職種とエリアを入力することで「求人数」「求職者数」やIndeed内でどのような「キーワード」が検索されているかなどの確認できる機能です。該当職種の採用難易度や、求職者に人気のキーワードが分かるので、求人情報に反映することで求める人材に検索される可能性が高まります。
また、「企業ページプレミアム」は「企業ページ」のアップグレード版で、無料版と比べ、多くの写真や動画の掲載、オリジナルの配色やイメージを使用したレイアウトを作成できます。文章だけでは伝わりきらない職場の雰囲気などをより詳しく紹介できるため、他企業との差別化につながります。
まとめ
売上・シェアの拡大を考えたとき、採用活動を改善し、人材を強化することはとても重要です。しかし、短期的な売上拡大を意識し、大量に採用を行ったとしても、中長期的に離職率が高くなれば結果的に採用コストがかかり続け企業文化が育たず、生産力の向上も難しく、持続的な企業成長につながりません。そのため、入社後の定着まで意識した中長期的な採用戦略を策定し、実行していくことが大事です。
求人情報の掲載から応募者の管理まで、魅力的な求人票作成のサポート機能や、企業ページ作成といった採用活動を無料*で始めることができるIndeedのメリットを存分に活用することで、効果的な採用活動を行うことができると言えるでしょう。
* 無料掲載の場合、利用規約・弊社が定める掲載基準・及び使用制限が適用されます。
https://jp.indeed.com/legal?hl=ja#tos