コロナ禍の影響もあり、ここ数年で一気にリモート採用が広がりました。Web会議ツールを使用したオンライン面接を、求職者はどのように受け止めているのでしょうか。「オンライン面接で良かったこと、困ったこと」について、3人のリモート転職者にお話を伺いました。

【参加者プロフィール】

矢田さん…20代後半。2021年7月に転職。営業職、事務職を経験し、現在は一般事務の業務に当たる。フルリモートワーカー。
 
今野さん…20代半ば。2020年9月に転職。現在は情報システム部の社内SEとして、システムの保守や改修などを行う。現在は週5で出社。
 
大垣さん…20代後半。2021年8月に転職。企画、編集職に従事。週数度の出社とリモートワークを組み合わせて業務に当たる。
 
※すべて仮名

会社によって異なる採用過程


――まずは、オンライン面接での選考過程について教えてください。
 
矢田 私は転職エージェントを使って転職活動を行いました。リモートで選考を受けたのは6社ほどでしょうか。条件として「フルリモートで働けること」を重視していました。現職の場合だと、書類通過後の一次選考は、Webテストとオンライン面談でした。具体的には、部署の直属の上司となる方と1対1での面談です。面談が始まる前に人事担当者が入室して、ご挨拶してくださったのが新鮮でしたね。二次選考もオンライン面談で、直属の上長と別部署の上長2人、計4人で行いました。その後内定をいただき、条件面談もオンラインでした。ツールはGoogle Meetを使いました。
 
今野 私も転職エージェントを使いました。リモート選考を受けた会社は4社ほどです。当時は関東で働いていたのですが、次は関西で働いてみたいと思っていました。現職の一次選考は部長とのオンライン面接で、ツールはZoomでしたね。二次選考は、関東支部に出向いて課長と対面で面接をしました。その後、内定をいただきました。
 
大垣 受けた会社は現職の1社のみです。書類を提出後、一次選考はZoomで社長と社員との面接を行いました。二次選考の社員面談もオンラインで場を設けていただき、その後、内定をもらいました。条件面談は会社に伺って社内の雰囲気を実際に見せていただいて、直接対話した上で正式に採用となりました。
 
――会社によって、全てリモートで行ったり、最終面談は対面で行ったりと様々ですね。オンライン面接でも、担当者とうまくコミュニケーションをとれたという感触はありましたか。
 
大垣 はい。一次面接の前に企業から「このようなことを話しましょう」とトピックをメールで共有いただいて。オンラインでも面接・面談がスムーズに進むよう、場作りをしていただいてありがたいな、と感じました。時間も1時間〜1時間半と、一般的な面接に比べると長い時間を確保してくれたので、十分にお話することができたと思います。
 
矢田 私も基本的には肩肘張らない雰囲気で、気楽に話せました。物理的には遠く離れていても、話しやすかったのは印象が良かったです。
 
今野 私も気楽な感じで、前職ではどんなことをやってきたのか、得意な業務、やってみたい業務などを聞かれました。対面の面接とあまり変わらないな、と感じました。

求人票の「オンライン面接」は重視した?


――選考がリモートで行われることは重視しましたか?
 
今野 関西の会社を受けたかったのですが、当時はコロナ禍の影響もあり、移動が難しい状況で。なので、リモートでの選考はかなり重視していました。
 
大垣 コロナで外出の不安があったのはもちろん、前職でフルタイム勤務していたので、スキマ時間に選考を受けられるオンライン面接は、ある程度重視していました。
 
矢田 私はフルリモートで働ける会社を探していたので、であれば選考もリモートで行われるところのほうが信頼できるなと感じていました。
 
――それはどうしてでしょう?
 
矢田 実際、求人票では「100%リモートで働けます」と謳っているのに、面談が対面の会社もあって。選考に行ってみると案の定「実は、リモート勤務をしている人はそんなにいない。だけど、やろうと思えばできるかも」くらいの温度感だったんです。様々な会社を見ていくうち、「フルリモートで働くなら、選考もフルリモートのほうが安心できるのかも」という考えに至りました。「本当にフルリモートで働けるが、面談は対面で行いたい」場合は、意図がしっかり提示されていれば、こちらも納得して選考に臨むことができるとは思うのですが。

慣れた環境で面接が受けられる、音声が途切れ聞こえない……オンライン面接の良いこと悪いこと


――オンライン面接ならではのメリットを感じることはありましたか?
 
今野 面接開始の直前まで予習ができる、というのはメリットですね。また、自宅という慣れた環境で話ができるというのも良かったです。
 
矢田 わかります。知らない会社の廊下で感じる無駄な緊張がないのは良いですよね。良い塩梅の緊張感を持って臨めるというか。
 
大垣 距離や時間の制約がなくなるので、受けられる会社の範囲が広がりますよね。私は仕事の合間を縫っての転職活動だったので、助かりました。
 
今野 同感です。私の場合は関西で働くことを決めていたので、行き来のハードルが無いのはありがたかったですね。当時、すでにリモート採用がかなり増えてきていたタイミングだったので、とくに転職自体に壁は感じませんでした。
 
――逆に、デメリットや不安に感じた点はありましたか?
 
矢田 相手の声が聞き取りづらく、「マズイ、さっきも聞き返しちゃったけど、どうしよう……」ということはありました。きちんと聞き返したほうがよいのはわかっているのですが……何度も聞き返すのはハードルが高かったですね。
 
大垣 「何回も聞き返す人」という印象になりそうでためらってしまいますね。お互いにオンライン環境、デバイスのテストはしっかりしておかなくてはいけないですね。私も「私の声、ちゃんと届いているだろうか……」という不安は常にありました。
 
今野 私も、電波が悪く、うまく会話ができないというトラブルは何度かありました。最悪のパターンだと、先方の画質がものすごく悪く、音声もとぎれとぎれ、ラグも発生……なんてことも。通信トラブル対応のために、保守担当として人事の方がミュートで待機してくれる会社もありましたね。
 
――手厚い対策があると、安心して面接に臨むことができそうですね。通信やデバイス以外に、不安に思ったことは?
 
今野 使ったことのないオンラインミーティングのツールが指定されると緊張しましたね。直前まで使い方を調べていました。
 
大垣 わかります。様々なオンラインミーティングのツールが使用されるようになりましたが、操作をしっかり覚えているのってそんなに多くないんですよね。
 
矢田 私が受けた会社の中には、いくつかツールを提示していただいて、選ばせてくれる会社もありました。
 
今野・大垣 それ、良いですね!
 
矢田 気が利く会社だなと、印象も良かったですね。
 
今野 他に気をつけたことといえば、画面に映る自分が逆光にならないようにとか、血色悪く見えないように、というところはかなり意識しました。
 
矢田 同じく、私も自分のパソコンの位置や角度はかなり研究しました。
 
大垣 私も背景などにはかなり気を使いましたね。
 
――矢田さんは採用がすべてリモートで完結していますが、一度も会社に行かないことに不安は感じませんでしたか?
 
矢田 一緒に働く上司や会社とは合いそうだ、ということは面談でわかっていたので、それほど不安はありませんでした。ただ、フルリモート勤務とはいえ会社内の雰囲気や設備は気になって。採用サイトに社内の写真があったので、それである程度は把握できました。
 
大垣 私も内定が出るまでは会社内の様子が全くわからなかったので、会社のホームページに掲載されている写真はかなりチェックしました。気になるポイントですよね。

両者にとって望ましいマッチングのためには「オンライン環境の整備」と「お互いの自己開示」がマスト


――リモート選考で入社後、会社の印象や業務内容にかい離はありましたか?
 
大垣 時間をかけて丁寧にお話できたのと、条件面談で一度会社に行かせていただいたので、入社後も違和感を感じることはありませんでしたね。
 
今野 私の面談を担当してくれた方は、私にとって不利な条件についても赤裸々に話してくれたのが好印象で。その不利な条件と、給与や休日日数などの条件を天秤にかけて今の会社を選んだので、特にかい離はありません。互いにどれだけ心を開いて話せるかは、リモート面接に限らず大切なことだと思います。
 
矢田 私も担当者がかなり話しやすい雰囲気を作ってくれたので、聞きたいことをしっかり聞くことができました。フルリモート希望についてもしっかりとすり合わせができました。納得の上で入社を決めたので、条件面でとくに不満に思うようなことはありません。
 
大垣 ただ、リモート面接の場合は互いのオンライン環境が整っていないと、弾む話も弾まないなと。よい機会になるよう、お互いに気をつけないといけないな〜……と、みなさんのお話を聞いていて改めて思いました。
 
今野 更にリモート採用が浸透していくと思いますが、オンライン環境に不安のある転職者は、対面も選択できる、オンライン面談のツールに選択肢があるなど、もっと柔軟になっていくと良いですよね。

 
 
 

TEXT:モリヤワオン
EDITING:Indeed Japan + ノオト