昨今の採用活動では、SNSに力を入れている企業も少なくありません。なぜ採用にSNSが有効なのでしょうか? そのメリットと留意点について、ソーシャルメディア運用や採用支援などを得意とする株式会社アースメディア代表取締役CEO松本淳さんに聞きました。
なぜいま採用活動にSNSが効果的なのか
これまで採用活動は、転職・就職媒体、エージェント、リファラル採用がメインでした。しかし、従来の手法だけでは求職者が「転職したい」と思って動き出した“瞬間”にしか接触することができず、企業同士でそのわずかな“瞬間”の奪い合いが起きていました。
そのような中で、アメリカの求人市場ではここ数年、「求職者が企業と出合って好きになり、応募や面接を経て採用される」というストーリー=キャンディデートエクスペリエンス(Candidate Experience/求職者体験)が重要視されています。この体験を実現するのに不可欠なのがSNSを活用した採用活動なのです。
日本では少子化により年々働き手の数が減少しており、今後ますます売り手市場になっていくでしょう。
そのような状況では、企業がSNSを使って常時自社の魅力を発信し続けることが大きな価値を産みます。いずれ転職を考えている求職者に対し、会社の存在を知ってもらえるきっかけとなるからです。
SNSを利用することのメリット
SNSを採用活動に利用するメリットは、今まさに転職活動をしようとしている人だけでなく、いつか転職するかも知れない「転職潜在層」に向けて、会社の存在をアピールできる点です。
ベンチャー企業や中小企業のSNS活用法としておすすめなのは、社員が個人アカウントを使用して、リアルな目線から自社のカルチャーを発信するというものです。このことで、カルチャー面においてもより社風に共感する人が反応し、マッチする人材と出会えます。従来のスペック重視採用で、社風とのミスマッチが起きてしまうといった問題への対策にもなるでしょう。
SNSは、応募前よりも内定後の意思決定時により効果を発揮します。それまで企業側が発信してきた求職者向けの情報から、一歩踏み込んだ“生の声”を得るために、求職者は社長やメンバーのSNSをチェックします。ここで会社の生の雰囲気を前向きに伝えられる発信ができていれば、入社への後押しに繋がるはずです。
SNSでの発信は手間がかかるというデメリットもありますが、採用広告のように費用がかからないというのは見逃せないメリットだと言えるでしょう。
SNSで採用活動を行う上で気をつけたいこと
SNSは楽しく使えるツールだからこそ、つい羽目を外してしまうことがあります。特にTwitterによる発信においては、企業のアカウントが炎上を招くケースは少なくありません。採用活動においてSNSを活用する際は、あくまで「仕事の一環である」という意識を持って発信することが大切です。仕事であることを忘れなければ、おのずと反感を買ったり問題になったりするような発信は避けられるはずです。
また反対に、仕事に関する発信をしようとすると、つい「良いことを言おう」と気負ってしまうかもしれません。しかし、人気のあるツイートを見てみると、有益性が高いだけでなくバランスよく自己開示ができており、より具体性のある内容が多くを占めています。一般論や他者の名言を真似るよりも、自分の経験に基づいた個人的な見解を発信することで、よりツイートを伸ばしやすくなるでしょう。ただし、ネガティブな発信は控えるよう留意しましょう。
<取材先>
株式会社アースメディア 代表取締役CEO 松本淳さん
TEXT:ミノシマタカコ
EDITING:Indeed Japan + 波多野友子 + ノオト