中途採用比率の公表義務化とは? 制度のメリットや公表の方法


2021年4月、改正労働施策総合推進法(労働政策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)が施行され、中途採用比率の公表が義務化となりました。
 
中途採用比率の公表義務化とはどのような制度なのでしょうか。その内容や企業にとってのメリット・デメリット、公表方法などについて、堀下社会保険労務士事務所代表の堀下和紀さんに伺いました。

 
 

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中途採用比率の公表義務化とは?


「中途採用比率の公表義務化」(労働施策総合推進法第27条)とは、正規雇用労働者数のうち中途採用者数が占める割合を、企業が公表しなくてはならない制度のことです。義務化の対象となるのは常時雇用する労働者が301人以上の企業です。
 
公表における必須条件は、次の3点です。

 

  1. 求職者が容易に閲覧できる形で公表する
  2. 直近3年分の中途採用比率を年度ごとに公表する
  3. 少なくとも年1回は公表する


現在、中途採用比率の公表義務化の違反に対して、罰則規定は設けられていません。ただし、労働政策審議会が省令(ガイドライン)を定めることになっており、今後は違反した企業に指導・勧告がなされる予定です。

 
 

制度導入の背景と目的


同制度が導入された背景には、転職市場の規模拡大や雇用の流動化が進んだことなどがあげられます。また人生100年といわれている時代、今後ますます進んでいく職業生活の長期化も導入理由の一つです。
 
以上を踏まえると、中途採用に関する環境整備の推進は必須です。個人のライフスタイルの多様化に合わせて「労働者の主体的なキャリア形成による職業生活のさらなる充実」や、働く意欲のある高齢者などの「再チャレンジが可能となる社会」を築き上げることが、同制度の主な目的といえます。

 
 

中途採用比率の公表方法


中途採用比率の公表は、少なくとも年1回以上、公表した日を明らかにしたうえで、直近の3事業年度(過去3年分)と定められています。
 
公表する際は自社の公式サイトなど、求職者がいつでも容易に閲覧できる方法で行わなければなりません。以下は公表例です。

 
 

◆労働施策総合推進法に基づく中途採用比率の公表例

 
中途採用比率の公表例 正規雇用労働者の 中途採用比率 2018年度 ○○% 2019年度 ○○% 2020年度 ○○%

 

公式サイトを開設していない場合、厚生労働省がインターネット上に開設している職場情報総合サイト「しょくばらぼ」を利用することもできます。そのほか、事業所への掲示や書類の備え付けなどによる方法も可とされています。

 
 

中途採用比率の公表義務化によるメリット・デメリット


中途採用の比率が高い企業には、同制度のメリットは大きいといえるでしょう。今後、中途採用比率が求職者の企業選びの基準の一つになるのは間違いありません。中途採用の需要が高まっている昨今、比率の高さは人材採用のアピールポイントになります。
 
つまり、積極的に中途採用の比率が高いことをアピールすることで、応募者が増え、より優秀な人材、即戦力となる人材を獲得できるチャンスが増えるということです。
 
一方で、中途採用比率が低い企業にとっては、中途採用者の求人面で不利になる可能性があります。中途採用者が少ないということは、中途採用者にとって働きづらい企業と受け取られてしまい、公表がデメリットになることも考えられます。

 
 

中途採用比率の公表義務化で中小企業がするべきこと


中途採用比率の公表が義務化されたことで、今後中途採用の人材募集が活性化していくことが予想されます。自社に合った人材を確保するために、義務化の対象ではない企業(常時雇用する労働者が300人以下)も、中途採用に積極的な姿勢をアピールすることが求められるでしょう。
 
たとえば、公式サイトのページ上部など目のつきやすい場所に「RECRUIT」「中途採用」と明記したり、中途採用した社員の生の声を掲載したりするなども方法の一つかもしれません。中途採用の比率を上げることは、職場の活性化にもつながるといえそうです。

 
 
 

※記事内で取り上げた法令は2021年6月時点のものです。
 
<取材先>
堀下社会保険労務士事務所 代表 堀下和紀さん
 
TEXT:塚本佳子
EDITING:Indeed Japan + 南澤悠佳 + ノオト


 
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