「パパ・ママ育休プラス」の内容と取得条件、メリットは?


通常は子が1歳に達するまでの育児休業期間を、両親がともに育休を取得したら1歳2カ月まで延長できる「パパ・ママ育休プラス」。「パパ休暇」との違いや取得条件について、寺島戦略社会保険労務士事務所代表で社会保険労務士の寺島有紀さんに伺いました。

 
 

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パパ・ママ育休プラスとは


厚生労働省「令和元年度雇用機会均等基本調査」によると、日本の男性の育児休業取得率は10.5%。女性の84.3%と比べると男女で取得率に大きな差があります。
 
また、少子高齢化が進む日本では、女性の社会進出は不可欠です。男性が育児休業を取得し、女性が産後も働き続けられるような体制を整える必要があります。
 
こうした背景から、パパ・ママ育休プラスは、育児休業の特例として設けられました。子が1歳を迎える前に父親が育児休暇に入れば、母親が職場復帰をしてもその後の2カ月間サポートが可能です。
 
家族構成や働き方によって利用方法も異なります。以下が取得パターンの一例です。
 
(パターン1)パパとママが切れ目なく育休を取る
子が1歳に達する時期まで母親が育児休業を利用し、父親は母親が職場復帰したタイミングで育休を取得する。
 
(パターン2)パパとママが同時期に育児休業を取得する期間を長くする
母親の育児休業の途中から父親が育休を取得。2人で一緒に育休期間を過ごした後、母親は子が1歳になるタイミングで職場復帰し、父親は2カ月間家族をサポートする。
 
(パターン3)祖父母が子の面倒を見られる期間は夫婦で働く
子が生後半年を迎えるタイミングで母親が職場復帰。母親の両親が3カ月間子どもの面倒を見た後、子が1歳2カ月になるまで父親が育休を取得する。

 
 

普通の育休との違い


通常の育児休業の取得期間は、子どもが1歳に達する(誕生日の前日)まで。パパ・ママ育休プラスが適用されれば、さらに2カ月延長されます。

 
 

◆パパ休暇との併用も可能


育児休業にまつわる特例の一つに「パパ休暇」があります。パパ休暇は、子の出生後8週間までに父親が育児休業を取得した場合、父親は期間内に2回目の育休を再取得できる制度です。ただし、パパ・ママ育休プラスのような期間の延長はありません。
 
共働き家庭の場合は、パパ・ママ育休プラスとパパ休暇を組み合わせることで父親が育児休暇を最大限に活用することができます。
 
例)母親の産後休業中に父親が一度目の育児休業を取得。その後、母が育児休業を取得し、父は職場復帰。子が1歳の誕生日を迎える前から1歳2カ月になるまでに夫が2回目の育休を利用する。
 
夫婦で育児を協力し合えるメリットがある一方で、給付金が支給されるとはいえ通常の勤務時より収入が少なくなるデメリットもあります。
 
何を重視するかは家庭によって異なるため、育児休暇の取得方法も様々といえそうです。

 
 

パパ・ママ育休プラスの取得条件


パパ・ママ育休プラスを取得するためには、下記のすべての条件を満たす必要があります。

 

  • 育児休業を取得しようとする本人の配偶者が、子が1歳に達する日(誕生日の前日)以前に育児休業を取得していること
  • 本人の育児休業開始予定日が、子の1歳の誕生日よりも前であること
  • 本人の育児休業開始予定日が、配偶者の育児休業の初日以降であること


そのため、次のケースは対象外となります。

 

  • 母親(育児休業を取得しようとする本人)の育休開始日が父親の育休開始日よりも前の場合:育児休業を取得できる期間は1歳到達日まで
  • 専業主婦(夫)の家庭:パパ・ママ育休プラスの利用には両親ともに育児休業を取得する必要があるため

 
 

◆社会保険料の免除


パパ・ママ育休プラス取得中は、本人負担分・会社負担分ともに社会保険料が免除されます。条件は特になく、会社側が「健康保険・厚生年金保険育児休業等取得者申出書」を管轄の年金事務所と健康組合に提出すれば手続き完了です。

 
 

◆育児休業給付金について


雇用保険の被保険者がパパ・ママ育休プラスを取得した場合、一定条件を満たせば育児休業給付金を受給できます。給付期間は、子が1歳に達する日の前日まで。子が1歳を迎える前に職場復帰をした場合は復帰の前日までです。
 
給付額は、以下の方法で算出できます。
 
休業開始時賃金日額×支給日数×67%(ただし、育児休業の開始から6カ月経過後は50%)
 
※休業開始時賃金月額には45万6,300円の上限があります。「作業開始時賃金日額×30」が45万6,300円を超える場合、育児休業給付金の30日分の支給額は「45万6,300円×67%=30万5,721円」となります。
※休業開始時賃金日額は、原則として育児休業開始前6カ月間の総支給額(保険料等が控除される前の額。賞与は除く)を180で割った額です。
 
育児休業給付金は非課税のため、所得税・住民税はかかりません。また、育児休業中は社会保険料が免除されることから、休業前の手取り賃金の8割程度を支給します。
 
申請の際は、「育児休業給付金支給申請書」などの書類を自社を管轄するハローワークに提出します。原則として2カ月に1回申請が必要で、通常この手続きは事業主側が行います。

 
 

育休期間を延長するときの注意点


育児休業期間が2カ月延長されても、産後休業を含めた1人あたりの育休取得可能最大日数は1年間に変わりありません(女性の場合は出生日以降の産前・産後休業期間を含む)。このことを念頭に置いて、企業側は従業員に育休のスケジュールを立ててもらう必要があります。
 
パパ・ママ育休プラスは通常の育児休業とは育休終了日が異なるため、企業側は制度を理解したうえで、育休期間がいつ終了するかなどを管理しましょう。
 
参考:
厚生労働省「令和元年度雇用均等基本調査」

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-r01/07.pdf
厚生労働省「パパ・ママ育休プラス」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000169713.pdf
 
 
 

※記事内で取り上げた法令は2020年10月時点のものです。
 
<取材先>
寺島戦略社会保険労務士事務所代表 社会保険労務士 寺島有紀さん
 
TEXT:畑菜穂子
EDITING:Indeed Japan + 南澤悠佳 + ノオト

 
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