第19回 株式会社CaSy 香川裕美さん 松下千紘さん
【プロフィール】
香川裕美さん
総合人材会社での法人営業・CRM業務などを経て、2021年にCaSyへ入社。キャスト採用説明会や面接の企画・運営、選考プロセスの設計、仕事開始までの手続き全般のサポートを担当する。
キャストの採用後は「なぜキャストになろうと思ったのか」をヒアリングし、希望に合う仕事の紹介や、仕事開始後のフォローに対応する。キャストがCaSyの仕事を通して、やりがいを感じながら楽しく働く様子を知ることが何よりの喜び。信頼をベースにしたより良いサービス届けるため、一つ一つの事柄に向き合って取り組んでいきたい。
【プロフィール】
松下千紘さん
マーケティング関連会社でのデジタルマーケティングコンサルタントの業務を経て、2021年にCaSyへ入社。サービス企画・マーケティング担当として、採用後にキャストとして活躍してもらうための施策の企画・実行、分析業務に携わる。
自身が導入・改善した仕組みによって、キャストに「ぜひCaSyで働きたい/働いていてよかった」と感じてもらえることが喜び。定量データと共に、応募者・キャストの想いといった定性とのバランスを取りながら、新たな施策を企画・実行していくことにやりがいを感じる。
採用人事の担当者におすすめしたい3冊は?
◆『座右の書「貞観政要」 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」』
(出口治明著/角川新書)
『貞観政要』は、世界最高のリーダー論として読み継がれている中国の古典書です。同書を座右の書にする著者が、その内容とポイントを具体的に解説しています。
採用活動チームでマネジメントのポジションを担うことになり、「キャストに安心して働いていただくにはどうしたらよいのか」「自分にはどんな役割が求められているのか」を考えていた時に、この本に出会いました。
特に印象に残っているのは、リーダーとして「銅の鏡」「歴史の鏡」「人の鏡」の3つの鏡を持つことを説く一節です。銅の鏡は自分の姿を映し、歴史の鏡で世の中の興亡盛衰を知り、人の鏡は人を手本にして自分の行いを正すことだと解説しています。
私はどちらかというと仕事を抱えがちなタイプなのですが、本書を読んでからより大きな成果を出すために周囲に積極的に相談し、意見を仰ぐことを心がけるようになりました。また、厳しい意見を言われると落ち込むこともありますが、「自分を思ってのことだ」とアドバイスをありがたく受け取れるようになりました。
読むたびに姿勢を正してくれる一冊であり、正解のない問いに向き合う中で大切にしたい考え方がたくさん紹介されている本です。(香川さん)
◆『ことばのかたち』
(おーなり由子作/講談社)
「もしも 話すことばが 目に見えたら どんなかたちを しているだろう」というフレーズから始まる、短編エッセイのような絵本です。優しい言葉は花に、傷つける言葉は針に例えるおーなりさんが紡ぐ表現と、それを伝える優しいタッチのイラストに引き込まれます。
私は3人の子育て中で、家庭では頻繁に「きょうだい喧嘩」が起こります。こちらの心が痛む言い合いになると、つい感情的に叱ってしまうことがしばしばあります。この本は子どもにも読めるやさしい内容で、自分が発する言葉について気づいてもらえるのではと思い購入しました。
子どもに向けて購入したつもりが、自分の発する言葉についてブーメランのように考えさせられる一冊になりました。つい感情的になることもありますが、ふとした時に冒頭のフレーズを思い出し、自分に問いかけるようになりました。子どもに「さっきは言い過ぎた。ごめんね」と謝り和解するようになったのも、この本のおかげです。
仕事では直接お話することはもちろん、電話やメールなどで様々な方とコミュニケーションを取ります。自分が伝えたい想いを言葉に載せることは難しいですが、それでも相手が受け取りやすい形でコミュニケーションがとれるよう意識しています。
この本を開くたびに、自分が発する言葉がどんなふうに届いているのか?とハッとさせられます。言葉のもつ力を感じられる、あたたかい作品です。(香川さん)
◆『マーケティングの仕事と年収のリアル』
(山口義宏著/ダイヤモンド社)
マーケティング職×キャリアについて書かれた一冊ですが、「マーケティング職をマネジメントする企業経営層にも役立つ内容に」というのが裏テーマになっています。
マーケティング職といってもプランナーやコンサルタント、クリエイター、デザイナーなど、多様な専門性があり、職種名から実際の業務内容・経験を想像しにくいケースも増えています。
今のタイミングで自社に必要なマーケティング人材は、どういった業種・ステージの企業で、何の経験を積んだ人なのか。ポイントを見極めるにあたり、応募者側の視点で抱える課題や今後のキャリアプランを知ることができる内容です。採用後のミスマッチを防ぐことにも役立つかと思い、マーケティング職の立場から採用人事の方におすすめしたい一冊という観点で選びました。
私が本書に出会ったのは、社会人5年目で転職を考え始めた頃でした。冒頭に書かれている「マーケティング業界で働いていても、労働市場における”自分”という商品のマーケティング戦略がおろそかになっている人は意外と多い」という一文にハッとさせられました。
この本を通して、業界や所属企業の立ち位置、現在の自分自身の成長ステージと強み・弱みを客観視することができ、次のキャリアを考え始めるきっかけになりました。(松下さん)
自社での取り組み紹介
◆現場で活躍する人材、どのように選考する?
香川:CaSyではお客様に対する思い、サービスを行う上での考え方や行動基準を「クレド」という行動指針に示しており、採用基準もそれに準じています。
選考では「お客様の希望や期待を受けて、自ら改善点を見つけ次に生かすことができる人かどうか」「お客様が喜んでくださることを自分の喜びにできる人かどうか」を対面、またはオンラインで確認しています。
◆自社で働く魅力を的確に伝えるには?
松下:「好きな時間に働けて、しっかりと稼げる」というCaSyで働く魅力を伝えるために、週5日がっつり働く場合、副業として週末に働く場合など、様々な勤務スタイルの具体例を採用サイトに掲載し、実際に働くイメージを膨らませやすくしています。
また、活躍中の先輩キャストのインタビュー記事や動画の充実も図っています。自分に近いライフスタイルや価値観を持った先輩キャストを見つけ、ワクワクしながら働き始められるといいですよね。
◆採用担当者として、大切にしたいことは?
香川:「(この業務を)何のために行なうのか?」と自分に問い続けることを大切にしています。スタッフそれぞれの目先には異なる業務があっても、目的は同じ方向を向いているはず。会社・組織の向かう先を意識しながら仕事をすることで、点になりがちな業務が線となり、面となり、形になっていくと思います。
松下:当社の家事代行サービスは、それを求めるお客様と、サービスを行うキャストの両者がいてこそ成り立ちます。お客様向けのキャンペーンを企画する際にも、採用業務の中で得た「キャスト視点」を生かして、お客様とキャストの両者にとってより良いものを作ることを意識していますね。様々な業務を経験することは、多面的な視点の獲得に役立つと感じています。
TEXT:合戸 奈央
EDITING:Indeed Japan +ノオト